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引下げ
「引下げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引下げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
当永い年月を技巧の習練や調子のお稽古できたえ上げた腕前をば、その日からさっぱりと
引下げに取りかかったりする傾向もないとはいえない。またそんな時代に一人上等の腕前....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
雄弁術のセンチメンタルなスタイルと同じに、こうした文章は却って論文の科学的価値を
引下げる。――併し同時に、科学的価値が一応高いものでも、その文学的水準の低い場合....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
度の結城財政では、この点、注文通りになっているのである。尤も第三種所得税の免税点
引下げは助かり、馬場大衆課税の多少の削減もあるから、実はこの点、都市民衆の実際利....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
処が農山漁村に対立するとかいう都市に於てはどうか。第三種所得税の免税点一千円への
引下げを初めとして、織物、砂糖、酒、ガソリン、印紙、煙草、等々の消費税其の他の実....
「田原氏の犯罪」より 著者:豊島与志雄
立てている。宇野の細君に対して腹を立てることは、お前自身を宇野の細君と同等の所へ
引下げるからだ。あんな者と同じになりたけりゃ、いくらでも腹を立てるがいいさ。」 ....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
。それで私は、あの奥さんの単なる噂に心から苛ら立つのは、自分を向うと同等の地位に
引下げることで、教養ある者の取る態度ではないということを、諄々と説いてやった。然....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
に飛び出した。雨後の空と空気と日の光とが、冷たく冴えていた。彼は帽子の縁を目深く
引下げ外套の襟を立てて、当てもなく歩き出した。歩きながら考えた。 然し彼の考え....
「慾」より 著者:豊島与志雄
可なり酔っていた。薄い絹の襟巻をして眼鏡を光らしている中江に比ぶれば、帽子の線を
引下げてマントの襟に※を埋めてる村尾の方が、痩せた弱々しい身体付のせいもあって老....
「影」より 著者:豊島与志雄
て、また悪戯気分が湧いてきました。 女中が餉台を片附けてゆくと、私は電灯を低く
引下げて千代子と繁とを相手に、壁に影を写して遊びました。拡げた両手の先をふらふら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、ことごとく破壊しつくそうとつとめる。偉人や偉大な思想などを、おのれと同じ水準に
引下げようと熱中する批評家、恋人を卑《いや》しくすることを喜ぶ娘、この二つは同種....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
多量に需要されることになれば、栽培技術は進歩し、製造機関は完成し、年一年と原価の
引下げを見ることになって、商品としての価値はますます向上して行くものです。それゆ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
のであろう。しかし米国は大国である。市場が大きい、広告費は大量生産による生産費の
引下げによって相殺される。 鵜の真似をする烏、日本の広告万能主義の人々が当然う....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
九、一三〇 需要が供給を超過するとき価格を引上げ、供給が需要を超過するとき価格を
引下げねばならぬ。 一一七 二商品相互間の交換の場合と同じく、いかなる数の商品....
「審判」より 著者:カフカフランツ
とを容易に推量することができるだろう。さらに、弁護士に弁護をまかせ、自分の解約を
引下げるほうがよいと確信させられる場合もないとは言えなかった。 弁護士の扉のベ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
かならず》顔を見知られているにちがいないと、俄に眉《まゆ》深く帽子の鍔《つば》を
引下げ、急いで通り過《すぎ》ると、その先の駄菓子屋と煙草屋《たばこや》の店もまだ....