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「引伸ばし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引伸ばしの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
しらえ、加藤完治さんの話にならい、甘藷の皮を植えてみる。 ◯昨夜は、初めて写真の引伸ばしというものをする。成功した。出来てみれば成功とかなんとかいうほどのものな....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、如何で御座いましょうか」 と云ううちに籐椅子の両肱に手をかけて、姿勢をグッと引伸ばした。 私はその顔を見守りながら、すこしばかり頭を下げた。……ちっとも構....
名娼満月」より 著者:夢野久作
人であった。はからずもこの満月に狃染んでからというもの、曲りかけている腰を無理に引伸ばし、薄い白髪鬢を墨に染め、可笑しい程派手な衣裳好みをして、若殿原に先をかけ....
魔像」より 著者:蘭郁二郎
間に、あの空間に浮動していた巨大な手や、足や、唇どもは、壁に貼られた、それぞれの引伸ばし写真の中に吸い込まれて、「知らん顔」をしているのであった。 (ナンダ写真....
春昼」より 著者:泉鏡花
い禅門が、鉄梃のような親指で、いきなり勝った方の鼻っ頭をぐいと掴んで、豪いぞ、と引伸ばしたと思し召せ、ははははは。」 「大きな、ハックサメをすると煙草を落した。....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
に白く捻上げられて、半身の光沢のある真綿をただ、ふっくりと踵まで畳に裂いて、二条引伸ばしたようにされている。――ずり落ちた帯の結目を、みしと踏んで、片膝を胴腹へ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
くと起き、枕を取って掻遣りながら、立膝で、じりりと寄って、肩まで捲れた寝衣の袖を引伸ばしながら、 「もし、大分漏りますが、もし葉越さん。」 と呼んだが答えぬ。....
腐った蜉蝣」より 著者:蘭郁二郎
、謡曲も採譜が出来ません、あれは耳から耳へ伝わっている曲で、同じ「ア」という音を引伸ばしながら、微妙な音の高低があるんです。ですから「都々逸」をピアノで弾くとし....
環礁」より 著者:中島敦
行こうとする十人余りが同じような椰子バスケットを担いで乗込んで来た。無理に大きく引伸ばした耳朶《みみたぶ》に黒光りのする椰子殻製の輪をぶら下げ、首から肩・胸へか....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
嘘。わたくしは頭を三つばかりも叩かれました」 「いやはや、どうも」 道行の皺を引伸ばしながら土間へ入り、長崎の唐木屋利七が泊っている筈というと、女中は怪訝な顔....