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引受人
「引受人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引受人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
類を書き終えて、 「起訴になるかどうか、それは検事殿がきめることだが、お前の身元
引受人に、電報か電話で、きょう横浜の検事局に来てもらうように、たのんだほうがいい....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
いは勘定を取り損じたりしたような場合には、その過怠《かたい》として本人または身許
引受人から半金を償わせることになっている。勿論、それは主人の方へ取りあげてしまう....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
だって、それ相応の手続がなくっちゃ採用されないもんだとばかり思っていた。大方身元
引受人とか保証人とか云うものが証文へ判でも捺《お》すんだろう、その時は長蔵さんに....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の平坦な所があった。うかと通り過ぎた人には只の空地と見えたかも知れぬ。然しそこは
引受人のない身許不明の屍体を仮りに埋葬した所だった。墓石はもとより墓標すらなく、....
「足迹」より 著者:徳田秋声
入れなどを着込んで、縁側へ幾個も真鍮の火鉢を持ち出して灰を振っていた。お庄が身元
引受人に湯島の主婦を頼みに行ったとき、主婦はニヤニヤ笑って、 「お前そんなことを....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
ん》たる研究題目とそれに対して支給すべき零細の金額とを列挙してそれらの問題の研究
引受人を募ることがあるようであるが、あれなどもやはりこのイブラヒム老人の入れ歯の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
二人。人足の寄場《よせば》であった石川島。敲《たた》きや追放に処せられたもので、
引受人がなくて、放してやるとまた無宿人になってしまいそうなものを、ここに集めて仕....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
給金もろくに貰えなかった。彼女は自ら周旋屋にかけこんで、伯母の懇意だった人に身許
引受人となってもらい、二三転々して、そして只今の芳枝さんの家に来たのだった。彼女....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
う身元保証書の一行である。人殺しをしようが詐偽をしようがそんなことは最初から誰も
引受人はないのである。 学位の出し惜しみをする審査員といえども決して神様でない....
「明日」より 著者:井上紅梅
耳輪と金著せの銀|簪を一本持っているので、それを咸亨の番頭さんに渡し、番頭さんが
引受人になって、なかば現金、なかば掛で棺桶を一つ買い取ることにした。藍皮阿五は横....
「白光」より 著者:井上紅梅
人がそれは陳士成だといったが、近処の者は面倒くさがって見にも行かなかった。死体の
引受人もないから県の役人が立会って検屍の上、地保に渡して埋葬した。死因は至っては....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
、ここの店の雇人である以上、主人はその身許を知っている筈でもあり、また相当の身許
引受人もあるはずです。松島さんはまずそれを詮議しますと、鰻屋の亭主は頭をかいて、....
「二十一」より 著者:坂口安吾
夫は周期的に発狂するたちで、当時全快していたが、公費患者というものは然るべき身元
引受人がないと退院できぬ。発狂したとき霊感があって株をやり、家の金を持ちだして大....
「世間師」より 著者:小栗風葉
ん断った。いろいろ窮状を談して執念く頼んでみたが、旅の者ではあり、なおさら身元の
引受人がなくてはときっぱり断られて、手代や小僧がジロジロ訝しそうに見送る冷たい衆....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
出入りしていた大工で、大阪の新町でメガネ屋兼幻灯屋をやっていた寺田清四郎氏に身元
引受人になってもらった。こうしたれっきとした
引受人があるからには、少しでもいい店....