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「引戻す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引戻すの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
げて行きますから、長二が立って行って、 長「お母さん、まアお待ちなせえ」 と引戻すを幸兵衛が支えて、 幸「長二……手前何をするのだ、失礼千万な、何を証拠に....
」より 著者:島崎藤村
見た。娘お仙を夫に逢わせて見たら、あるいは――一旦失われた父らしい心胸を復た元へ引戻すことも出来ようか――離散した親子、夫婦が集って、もう一度以前のような家を成....
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
去へ飛躍して、ギリシア文化や万葉の文化、王朝文化を云々することが現実の文化を逆に引戻す作用をしていることが意味されているのである。 青年論その他の形で旺《さか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
といってこうまでのぼせ切っている道庵を、この多数の雲助の手から取り上げて、常道に引戻すことは不可能のことだ。 それともう一つ、今晩このところから道庵先生をテコ....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
は普通の喇叭などでなかったから、目ざめて見れば二たび僕らをばアルプス山上の気持に引戻すのであった。程経て僕らは起きた。それからなるべく寒くないように著込んで階段....
反抗」より 著者:豊島与志雄
日記によって保子の本当の心を知ることは、変な所へ陥りかけた自分自身を正当な位置へ引戻すべき、唯一の方法らしく考えられた。それによって未来が安泰となれば、一時の罪....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
傾向は喜ばしいことである。なぜなら、それは、生活から遊離しようとする文学を生活に引戻すことであるから。 自然主義が行きづまって以来、文学は生活から遊離して、生....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
過剰――を来す。 こういう意味に於いて、文学の生産不足は、文学を「文学以前」に引戻すと共に、文学に対する需要を増加させ、文学の生産過剰は、文学を「文学以後」に....
山吹」より 著者:泉鏡花
方に見て頂きたいものがあるんです。(外套の袖を引く、籠れる力に、画家を小流の縁に引戻す)ちょっと御覧なさいまし。 鯉を指す、死したる鯉、この時いまだ客者の目につ....
肌の匂い」より 著者:三好十郎
二三日の間、それが絶えず頭に來た。義兄の小松敏喬の方へ知らせてやつて、一應、家へ引戻すなり何なりさせ、自分の引受けている責任のようなものも、のがれようとも思つた....
審判」より 著者:カフカフランツ
あるにちがいなかった。話を急いでいたので、支店長代理をはっきりと手すりの仕事から引戻す余裕は、Kには全然なかった。ただ二、三度、書類を読み上げながら、空いたほう....
食道楽」より 著者:村井弦斎
迎い申さなければ」と振放して進まんとするにお代嬢の大力《だいりき》にて再び後ろに引戻す「迎いに行きたければナゼ早く行かねいだ。遅くなんねいようにわしが早く早くと....