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引揚げる
「引揚げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引揚げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
、東京へ三時につく列車の、三等車の三輛目の網棚へ乗っけて、そのまま知らん顔をして
引揚げる。列車はお客さんの手荷物と思い込んで、黙って東京駅まで運んで呉れる。さて....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
のは、かの清水の井戸であった。二つの鏡はおそらくこの二人の胸に抱かれていたのを、
引揚げる時にあやまって沈めてしまったのか、あるいは家来らが取って投げ込んだもので....
「わが町」より 著者:織田作之助
の御主人も言うたはったが、今に日本がアメリカやイギリスと戦ってみイ。敵の沈没船を
引揚げるのに、お前らの身体はなんぼあっても足らへんネやぞ。五十尋たらの海が怖うて....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
おい急ぎ引揚げろ。して、金博士、君は」 「わしのことは心配するな。艦載機にのって
引揚げる。すっかり自動式のこのホノルル号に、水兵一人乗っていないから、わしが引揚....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
鐘を水の底に埋めておくのは無益じゃ。いずれ改めて引揚げさするであろう。」 鐘を
引揚げるには相当の準備がいる。とても今すぐという訳にはいかないことは誰も知ってい....
「光は影を」より 著者:岸田国士
シベリヤ組かい?」 「ところが、そうじやない。仏印で終戦だよ。変な話だが、内地へ
引揚げるのがなんだか気が進まなくつてね。しかし、帰つてみると、やつぱり家もわるく....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
見つけて母が追って出る間もなく、若い娘は深い谷底へ飛び込んでしまって、その亡骸を
引揚げるすべさえもないのであった。 その以来、木の枝にかかっている髑髏は夜ごと....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
若者である。彼は今頃どうしてここへ来て、この陥し穽に落ちたのかと、不思議ながらに
引揚げると、鉄作はほとんど半死半生の体で、しばらくは碌ろくに口も利けないのを、介....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
て、熱海の温泉に滞在中、やや馴染になった同じ滞在客の中年の夫婦から……もしここを
引揚げるようだったら、五日でも十日でも自分のところの別荘へ寄ってそこにいる娘と一....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
そうだ、たしかにそうだ、たしかにあの男だ、あの家だ」 小沢はそう叫ぶと、一同が
引揚げるのも待たず、ぷっと駈け出して行った。 (映画の手法に従えば、ここで場面は....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
蹴られて、五が出て、三が出て、六が出て、ポンと欄干から大川へ流れたのを、橋向うへ
引揚げる時五番組の消防夫が見た事と。 及び軍鶏も、その柳屋の母娘も、その後行方....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
其綱を繰上げると、綱の端には尠からず重量を感じたので、不審ながら兎も角も中途まで
引揚げると、松明の火は漸く達いた。洋服姿の市郎は胴を縛られたままで、さながら縁日....
「わが町」より 著者:織田作之助
の御主人も言うたはったが、今に日本がアメリカやイギリスと戦ってみイ。敵の沈没船を
引揚げるのに、お前らのからだはなんぼあっても足らへんねやぞ。三十尋たらの海が怖う....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
った。 その日を始めとして、美人鷹匠はその仇めいた姿を毎日空地に現わした。夕方
引揚げる時には鳥籠は空っぽで、雀も鳩も売切れという繁昌ぶりだった。 達也の鷹狩....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
が紛失したとなれば責任上主人も職を辞さなければなりません。そうすれば当然この地を
引揚げることになります。しかし実際には紛失していないのですから、そこは情実で何と....