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「引札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引札の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
がえりの洋服屋だとさ」 学生たちは口々に私語《ささや》きあった。 「おいおい、引札を撒《ま》くことは止めてもらおう。此方《こちら》ではそれぞれ規定の洋服屋があ....
」より 著者:夏目漱石
なかった。何心なしに一番目のを読んで見ると、引越は容易にできますと云う移転会社の引札《ひきふだ》であった。その次には経済を心得る人は、衛生に注意する人は、火の用....
仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
は仙方延寿丹《せんぽうえんじゅたん》、または江戸の水とやら申す化粧水を売り出し、引札を書き、はなはだしきは御著作の中にその効能を広告なさるということですが、真実....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
宿屋を吹聴するので、宿引の来ない宿屋にゆくに限ると決め、電車の窓から投げ込まれた引札の中から選り取って、大外河を姓とする芙蓉閣なる宿屋へ、昼飯を食べに入った。こ....
古狢」より 著者:泉鏡花
出す。一枚ずつ、女の名が書いてある。場所として最も近い東の廓のおもだった芸妓連が引札がわりに寄進につくのだそうで。勿論、かけ離れてはいるが、呼べば、どの妓も三味....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いて、十八日の朝おきて、下の長火鉢のよこへ降りて行ったら、いろんな手紙、古本屋の引札や温泉宿の広告や、そんなものの間に、さも何でもなさそうに挾んで置かれてあった....
死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
魯文は、前年旗下の酒井某という者の妾の妹を妻にしていた。魯文のその時分の収入は、引札が作料一枚一朱、切付本五十丁の潤筆料が二分ということになっていた。そして、切....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、つい順路を間違えて、あらぬ町々をうろつきながら宿へ帰って来て見ると、庭に大きな引札が落ちている。取り上げて見ると、上の方には人の首を二つ、大きく丸の中へ入れて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らない。 眼と鼻の先に吉原があろうとも、好きな書画|骨董《こっとう》の売立ての引札を見ようとも、かわり狂言の番付がくばられようとも、しょげるばかりで浮き立たな....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
換寄贈を受けるものであった。それを弥之助はことごとく眼を通して居る、どんな小さい引札の様なものでも、読まないと云う事はない、そうして読んだ後は要領の索引を作って....
日記」より 著者:宮本百合子
の燈火の輝きが美くしい調和を保って居た。帰って見ると、河村明子氏が八日の演説会の引札のようなものを沢山と入場券と、新真婦人と云うものを持って来て置いてくれたそう....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
「大変だあ! 早く行っておつかまえなさいまし! 公爵が千法札を、まるで売り出しの引札《ちらし》のように他人《ひと》に配って歩いてますぜ! 遊楽館《カジノ》の『鳩打ち場』の横んとこでサ!」....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
まず冒頭には、 「六月十四日午前九時より開場するとて横浜羽衣座が各所に撒いたる引札には怖ろしい事が書いて、ありとにかく珍しいものゆえ御覧に入るる事とせり」 ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
あった。古い歌舞伎趣味に浸っている一部の好劇家は苦々しそうに眉をしかめて、こんな引札のような番附を投げ付けられては芝居を観にゆく気にもなれないと言った。それと同....