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引渡し
「引渡し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引渡しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
その旨を三郎治に訴えた。三郎治も後難を恐れたと見えて、即座に彼を浦上村の代官所へ
引渡した。
彼は捕手《とりて》の役人に囲まれて、長崎の牢屋《ろうや》へ送られた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た。 車掌台からどやどやと客が引込む、直ぐ後へ――見張員に事情を通じて、事件を
引渡したと思われる――車掌が勢なく戻って、がちゃりと提革鞄を一つ揺って、チチンと....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
内にて殺害されたるわが忠良なる市民顔子狗の死体を収容し、第三に、右の顔殺害犯人の
引渡しを要求するものである” といったような趣旨の抗議文であった。 ところが....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
令嬢の御一行は、次の宿で御下車だと承ります。 駅員に御話しになろうと、巡査にお
引渡しになろうと、それはしかし御随意です。 また、同室の方々にも申上げます。御....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
角の交番へ引張って行って、吐せと、二ツ三ツ横面をくらわしてから、親どもを呼出して
引渡した。ははは、元来東洋の形勢日に非なるの時に当って、植込の下で密会するなんざ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
見に参ったのが、通りがかり、どやどや御堂へ立寄りましたに因って、豪傑はその連中に
引渡して、事済んだでございます。 が、唯今もお尋ねの肝腎のその怪い婦人が、姿容....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
何にも無惨極まる次第で、その時代の事であるから何事も内分に済せて、死骸は親|許へ
引渡し、それで無雑作に埒が明いた、しかしその後に別に怪しい事もなく、その主人は已....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
うなると、自殺の疑いがいよいよ濃厚になって来て、不具者の恋、それが彼女を死の手へ
引渡したものと認められて、警察側でも深く踏み込んで詮議するのを見合せるようになっ....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
、船を取りに向河岸へ行く」 「私は女軽業師、幸い斯うして、彼方から此方へ、藤蔓が
引渡して御座いますから、それを伝って行けば何んでも無い事で御座います」 「成程な....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
うところならんに、然るに勝氏は一身の働を以て強いて幕府を解散し、薩長の徒に天下を
引渡したるはいかなる考より出でたるか、今日に至りこれを弁護するものは、勝氏は当時....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
走りかかって押え付ける。) 會徳 こいつ、油断のならない奴だ。 男甲 早く警察へ
引渡して仕舞おうではないか。 男乙丙 それがいい、それが好い。 高田 途中で逃が....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
恐らく書肆に対する義理合上拠ろなしに自分でも満足しない未成の原稿をイヤイヤながら
引渡したに違いないのは前後の事情から明瞭に推断される。 二葉亭の日記に由ると、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
を心配して探しに来た母親や伴の者とめぐり合ったので、慧鶴は無事に娘をそれ等の手に
引渡した。そしてこの事件が縁故で、慧鶴は橘屋へ出入りするようになった。 この話....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
実であろうと信ずるのであります。したがって、私どもは岸内閣に対し社会党への政権の
引渡しをせまり、根本的な政策転換と中日国交回復をおこなった上、躍進しつつある中国....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
はない。しかし幸運にもしけをついて、石炭の第一船がはいってきたのだ。やっと石炭の
引渡しができたときのうれしさ、全くほっと肩の荷をおろした。契約高は百斤三十二円で....