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引眉
「引眉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引眉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
自動車の中に待たせておいた連中がゾロゾロと這入って来た。洋装、和装、頬紅、口紅、
引眉毛取り取りにニタニタ、ヘラヘラと笑い傾けながら、荘厳を極めたロココ式の応接間....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
の女は厚化粧、白粉を頸筋にまで用いて、べには唇にばかりではなく、目じり目がしら、
引眉にもこれを加うとぞいうが、江戸ッ児は女でも瀟洒たるもの、好んで多摩川の水にみ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こんな生活から逃《のが》れて、老後が食って行けるように何かのみいりが欲しいから、
引眉毛で出てみたようなもので、そんな仕事をせずとも、安心して暮せるようになりさえ....
「つぼみ」より 著者:宮本百合子
臓の鼓動を頭の頂上でうたせて居る。一時頃まで私はあの人のかつら下地に結ったかお、
引眉毛の目つき、を思って居た。 ウトウトとして目をさましたら七時頃だった。すぐ....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
昔に見ない所である。 桜餅ふくみえくぼや話しあく みさ子 夏瘠や粧り濃すぎし
引眉毛 和香女 夏瘠や頬もいろどらず束ね髪 久女 桜餅をふくみ靨を頬に....
「女坑主」より 著者:夢野久作
した無鉄砲な要求を即座に引き受けたのであった。 四十とはトテモ見えない襟化粧、
引眉、口紅、パッチリと女だてらのお召の丹前に櫛巻頭。白い素足と真紅のスリッパにゴ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の上に汗さえ浮かせ、精根限り駆けずり廻ったあとのように肩で大息をしている。折角の
引眉毛が眼尻の方へ八の字に流れ、ギリシャ劇の悲劇の仮面のような莫迦々々しい面にな....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
頼みとするは後なる床柱これへ凭れて腕組みするを海山越えてこの土地ばかりへも二度の
引眉毛またかと言わるる大吉の目に入りおふさぎでござりまするのとやにわに打ちこまれ....