引移る[語句情報] » 引移る

「引移る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引移るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
て、依然として臭い。宿では近々《きんきん》停車場《ステーション》附近へ新築をして引移るつもりだと云っていた。そうしたら、この臭だけは落ちるだろう。しかし酸っぱい....
新生」より 著者:島崎藤村
荷馬車を曳《ひ》いて来て家の裏木戸の外に馬を停《と》めた。いよいよ谷中行の人達の引移る日が来た。荷造りした世帯《しょたい》道具が車に積まれるのを待つ間も、岸本は....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
んが、病気になった最初っから、なぜですか、もうちゃんと覚悟をして、清川を出て寮へ引移るのにも、手廻りのものを、きちんと片附けて、この春から記けるようにしたっちゃ....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
たのだった。わが青軍の根拠地の土佐湾は、いよいよ持ちきれなくなって、横須賀軍港へ引移ることに決定した。多分、その日の夜に入ると、北上してきた赤軍は、勢いに乗じて....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
うと思って取合わない。しかし、勝豊の元の城下、丸岡から、勝豊の家臣の妻子が長浜に引移る為に騒々しいとの注進を受けては勝家も疑うわけにはゆかない。驚き怒るけれども....
」より 著者:島崎藤村
に渡って了った。実の家では、長い差押の仕末をつけた上で、もっと屋賃の廉いところへ引移る都合である。 話が両親のことに移ると、お俊は眼の縁を紅くした。彼女は涙な....
白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
妹と、そこに祖母が隠して置いた氷砂糖を皆食べて叱られた。その洋画や飾棚が、向島へ引移る時、永井と云う悪執事にちょろまかされたが、その永井も数年後、何者かに浅草で....
南路」より 著者:宮本百合子
は、或る、日本人の会館へ行った。自分達の今いるアパートメントは、何時どんな都合で引移るか分らない。その後で、故国から来る郵便が、まごついては困る。そういう心配の....
惨事のあと」より 著者:素木しづ
一 楯井夫婦が、ようやく未墾地開墾願の許可を得て、其処へ引移るとすぐ、堀立小屋を建てゝ子供と都合五人の家族が、落著いた。と間もなく此の家....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私の為めに一つの神社が建立されて居り、私は間もなくこの修行場からその神社の方へと引移ることになったのでございます。 それに就きての経緯は何れ改めてこの次ぎに申....
」より 著者:寺田寅彦
私が九つの秋であった、父上が役を御やめになって家族一同郷里の田舎へ引移る事になった。勿論その頃はまだ東海道鉄道は全通しておらず、どうしても横浜から....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
なり時間がかかる上に、雨や風の日には道も案じられるので、やがてお邸の諒解を得て、引移ることになったのです。いつか向島にも五、六年|住馴れて、今さら変った土地、そ....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
居 十月十二日の時雨ふる朝に、わたしたちは目白の額田方を立退いて、麻布宮村町へ引移ることになった。日蓮宗の寺の門前で、玄関が三畳、茶の間が六畳、座敷が六畳、書....
三国志」より 著者:吉川英治
」 「万端終りました」 「朝廷においても、公卿百官もみな心得ているだろうな」 「引移る準備に狂奔しております。それから都門へ高札を立て、なおそれぞれ役人から触れ....