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「引立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道標」より 著者:宮本百合子
まの方が立派じゃないかしら。血色のさえた顔色をしていらっしゃるんだから、かえって引立つと思うけれど……」 「さあねえ……」 伸子のいうことには賛成できない風で....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
、横を向いて立ったる白糸を一目見て、思わず手を取る。不意にハッと驚くを、そのまま引立つるがごとくにして座敷に来り、手を離し、※とすわり、一あしよろめいて柱に凭る....
小鳥」より 著者:宮本百合子
内気である。二羽ながら巣にこもり、白と薄茶色のまだらの頭をのぞかせて、おだやかに引立つこともなく暮して行く。 頭がつやつやと黒く、体は全体金茶色で、うす灰色の....
」より 著者:宮本百合子
。 「――妙なものね、鳥はやっぱり樹や草と一緒に見る方がずっと立派ね、まるで色が引立つじゃあないの、ずっと綺麗ね」 この一対は二月、私の誕生日に、友達である彼....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
六名どやどやと入来りて、正体もなき謙三郎をお通の手より奪い取りて、有無を謂わせず引立つるに、※呀とばかり跳起きたるまま、茫然として立ちたるお通の、歯をくいしばり....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
熊の傍に寄り添いまして、 町「さア穴の方へ往けよ、さア/\」 と追いやる如く引立つれば、熊は頷く様子にてお町の顔を一度見て、一散走りに谷間の方へ駈け出します....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
、あるいは二十ギニーは何シリングかということを、言ってみて頂ければ★、よほど気が引立つんですがねえ。わたしだってあなたのお心の工合にもっともっと安堵が出来るとい....
日記」より 著者:宮本百合子
一月五日(水曜)快晴 久しぶりの快晴である。天気がよいと、心まではっきりと引立つ。今日は昨夜熟睡したためか、頭の工合が可成よい。 「黄銅時代」、(一)の(....
役者の一生」より 著者:折口信夫
ということは出来ないことであるし、又そういう妬婦のあることによって善人の女が更に引立つのである。お家物になっても、お家騒動の原因は多く女で、例えば後妻が夫の眼を....
家庭習慣の教えを論ず」より 著者:福沢諭吉
り、そのほか総て世の中の妨げとならざる娯《たの》しみ事は、いずれも皆心身の活力を引立つるために甚だ緊要のものなれば、仕事の暇《いとま》あらば折を以て求むべきこと....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
行って訊けば直ぐに判ります。さあ、早く……。早く行ってください。 (高田は急いで引立つれば、李は失神したようにふらふらと立上る。) 高田 阿母さんはどこにいるん....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
肌が脱ぎたくなった。……これが、燃立つようなお定まりの緋縮緬、緋鹿子というんだと引立つんですけれどもね、半襟の引きはぎなんぞ短冊形に、枕屏風の張交ぜじゃあお座が....
女の顔」より 著者:上村松園
且眼です。眼付のよいのが一番でして、少々外の道具が悪くてもこの眼さえよければ絵が引立つものです。 描者に似る 大変妙な事を申しますが、絵に描く人物の顔は総じて....
かもめ」より 著者:神西清
手がふるえたっけ。新鮮で、素朴だ。……ほう、先生やって来たらしいぞ。なるべく気の引立つようなことを言ってやりたいものだ。 トレープレフ (登場)もう誰もいない。....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
、岩城文子の華奢な細い奇麗な指には一つの指輪さえなかった、こんな指にこそダイヤも引立つだろうのに――、と思った。赤星にじっと見られて、彼女は心持ち顔を赤くしなが....