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「引証〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引証の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
自身の目撃した悪魔の記事が、あの辛辣《しんらつ》な弁難攻撃の間に態々《わざわざ》引証されてあるからである。この記事が流布本に載せられていない理由は、恐らくその余....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
。僕はそれを今、詳しくここへ書く必要はない。ただ、本間さんの議論が、いつもの通り引証の正確な、いかにも諭理の徹底している、決定的なものだったと云う事を書きさえす....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の事は、当然憶えてなければならないはずだよ。ところでこのリュデスハイム譚は、別に引証されてはいないけれども、メールヒェンの『朦朧状態』を読むと、詩で唱われたオス....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
うなあの鉄芯の太さも、君は計算の基礎に加えていないのだ。」そうして法水は、該博な引証を挙げて繊密きわまる分析を始めた。 「しかし、ここで僕がくどくど云うよりも、....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
を訪ねると、主人はまだ若い人で、炬燵にあたりながらの気象学の話や、文学上の精しい引証談なぞが、私の心を楽ませた。ラスキンが「近代画家」の中にある雲の研究の話など....
仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
でげす。あっしは考証を無視するのが作者の唯一の仕事だとまで思いやすよ。その古典を引証するがごときはあえて精確なるを要しやせん。一、二|仮托《かたく》して可なりで....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
などをあげている。また物体の磨滅の現象からも、目に見えぬ微小部分が存するゆえんが引証されている。 元子によって自然を説明しようとするのに、第一に必要となって来....
物理学圏外の物理的現象」より 著者:寺田寅彦
がここで特に声を大きくして宣伝したような部類の統計的現象を全然閑却していたことも引証されようかと思う。 物理学圏外の物理的現象と称すべきものは決して上記の部類....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
のを有難く存じ奉る義と心得あるべからんに、密夫を引入れてからに、何うも酒肴をとり引証をするのみならず、安眠たる事は有るまからんと存奉候、其処の道理を推測って見ま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がある。 しかしながら、いくら長く喋《しゃべ》っても、弁信のは条理整然として、引証的確なるものがあるが、茂公のは無茶苦茶です。論より証拠、引きつづいての前記の....
戯作者」より 著者:国枝史郎
。 「こいつアどうも驚いたな。いや実に甘いものだ。この力強い文章はどうだ。それに引証の該博さは。……この塩梅で進歩としたら五年三年の後が思い遣られる。まず一流と....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
均衡の成立のための予備的摸索を仮定し、かつこの運動は有効になされるのではなく、取引証書によって(sur bons)なされると仮定した。そして私はこの仮定をそれ以....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
用文は、幸福な美しい引例として、短い私の論文の最初にかかげるのである。この幸福な引証すら、不幸な一面を以て触れて来るということは、自余の数千百篇の泰西詩が、われ....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
、うかれて宿も定めぬか つく くゝつまはしは廻り来て居り という連歌を引証して、サンカという語の古く見ゆる例とされているのである。さすがに博覧なる柳田....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
、またその職業上における分派についても考えてみたいと思うのである。柳田君のすでに引証せられたところの彼らの職業に関する見解は、いずれも正当であることを信ずるもの....