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「引込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
月で帰って来やしないんでしょう。」 「そりゃ、家を畳んで参るんですもの。二三年は引込みます積りです。」 「厭ねえ、二三年。……月に一度ぐらいは遊びに行った日曜さ....
親子」より 著者:有島武郎
を感じるよりも、彼自身にそれを感じねばならなかったのだ。そしてそれがますます彼を引込み思案の、何事にも興味を感ぜぬらしく見える男にしてしまったのだ。 今夜は何....
深夜の市長」より 著者:海野十三
かに両肩の欝血が取れてきたように思った。 さあ、こうなると、もう今までのように引込み思案ばかりはしていないぞ。なんでも華々しい最後を飾って散るのだ! たとえば....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ら、このロケット艇はかなりの巨体であることがわかろう。 出発のときは、胴体から引込み式の三|脚をくりだして、これによって滑走した。そのとき、やはり胴体から水平....
地獄の使者」より 著者:海野十三
たよ――するてえと兄は病気で急死したんじゃないんですか。しかしそれではあなた方の引込みがつかないから、これは……」 「そこへお懸けなさい。今日は帆村君が代ってお....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
来るだろうと思ったんだ。が、こうなれば刺違えても今更糸|的に譲って、指を銜えて、引込みはしない。」 と、わざとらしいまで、膝の上で拳を握ると、糸七は気もない顔....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
敢えて対称でないところに……。 お喋りの虫がまた活気づきました。困りましたね、引込みましょうか。 (1)★ □0□ × □6 ――――――― ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あっても強気なところが見えない。世間に出てからは他に押され気味で、いつとはなしに引込み思案に陥ることが慣いとなった。彼はしょっちゅうそれを悔しがり寂しがるのみで....
火の扉」より 著者:岸田国士
。 その時、また母屋に通ずる廊下を忍び足で歩く足音がした。その足音は一たん奥へ引込み、またもう一人の足音と重つて、二人の男が障子の外に近づく気配がした。百々子....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
魔なので腕の処へ揺り上げて、引包んだその袖ともに腕組をした。菜種の花道、幕の外の引込みには引立たない野郎姿。雨上りで照々と日が射すのに、薄く一面にねんばりした足....
晩春」より 著者:岡本かの子
鄙な深川の材木堀の間に浮島のように存在する自分の家を呪った。彼女は、自分の内気な引込み思案の性質を顧みるより先に、此の住居の位置が自分を現代的交際場裡へ押し出さ....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
たものであることを証明した。あたしは出て行く。でもこれきりであたしはイベットから引込みは仕無い。あたしは死ぬまであいつに張り合う――女の声は低いが喚いたり愚痴に....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
皆|垂流しなり、然れども警察の取締皆無のため往来の人随所に垂流すが故に往来の少し引込みたる所などには必ず黄なるもの累々として堆く、黄なる水|湛として窪みに溜りを....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
あっても、伯爵にはできない相談である。エセックスは細心な注意をもって阿諛と偽善と引込み思案の世界にはいらなければならぬ。むろんレスタアやハットンの卑屈を学べとい....
今年の抱負」より 著者:大倉燁子
度だって実行出来たためしがない。最初の意気込みが、二月、三月、ともなればそろそろ引込みかけ、四月頃にはすっかりしぼんでしまい、六月の声をきくともう半分は自暴自棄....