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「引込線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引込線の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
清貧の書」より 著者:林芙美子
井《てんじょう》を見上げた。 「オヤ、電気もまだ引いてないンですよ」 「本当だ、引込線も無いじゃないか、二三日は不自由だね」 長い間の習癖《しゅうへき》と云う....
ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
のった。 「鋤」の突撃隊がはじめてトラックにのっかって、ヤロスラフスキー停車場の引込線の上で腐りかけてるトマトを一貨車、区の消費組合へ運んで来たときの写真も「鋤....
刻々」より 著者:宮本百合子
鉄ではついこの三月二十日から三日間従業員約百名内出札の婦人四〇名が参加して地下の引込線を利用して車輌四台を占領し、全国的注意を喚起したストライキをやった。原因は....
播州平野」より 著者:宮本百合子
うそこは、ひろ子が知っていた広島市でもなければ広島駅でもなかった。駅長事務室が、引込線の貨車の中に出来ていた。なまなましい傷の上に、生活が再建されようとしている....
電車の見えない電車通り」より 著者:宮本百合子
のとおり明るい事務所の内で執務している従業員の姿が外から見えた。何心なく行くと、引込線の通った車庫のわきに一寸した空地のような場処がある。その叢の物かげに、洋服....
無題(十二)」より 著者:宮本百合子
燃火のけむりが低く雨の中に流れ出している土壁との間にある空地ごしに扇形にひらいた引込線に、石炭をつんだ無蓋貨車が何輌もつながったまま雨に打たれている。○がここへ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
ウントレット、ヘロー、デスポンドのスラウ、及びハートシーズの四炭坑へ通ずる四つの引込線は本線に合する部分の軌道が取除かれおるをもって、本職はこれが探査を省けり。....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ても、それがじつに殺風景でちょっと裏手に入れば野便所があり、電車は単線で、所々に引込線が引かれ、筋向かいの豆腐屋の屋根のブリキ板が、風にあおられてバタバタと音を....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
と三階が使用されていて、この小屋には一階がなかつた。 一階にあたるところは駅の引込線がはいつていて、ちようど扉のない倉庫のような体裁を備えており、しかもだれで....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
の設計見学に外遊せられていたのであったが、其頃の大宮駅の線路は同氏の設計らしく、引込線を錆びさせないように苦心するのだと常に言って居られた。ボストン停車場の線路....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
災前と――というよりむしろ二十年前と少しも変らないものを発見した。それは両国駅の引込線をとどめた、三尺に足りない草土手である。僕は実際この草土手に「国亡びて山河....