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弘め
「弘め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弘めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
さき》婆《ばゞあ》と申しまして慾張《よくばり》の骨頂でございます、慾の国から慾を
弘めに参り、慾の新発明をしたと云う、慾で塊《かたま》って肥《ふと》って居りまする....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
と号するもののごときはもとより一の政論派たらざるべからず、思うにその目的は政論を
弘めて人心を感化するよりも、むしろ一個の勢力を構造して諸種の欲望を達するにあるべ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
滅すこと止みぬれば、思の如く仏法習ひ給ひて、十年といふに日本へ帰り給ひて、真言を
弘め給ひけりとなん」 読んでしまうと庄三郎は深い疑いに落ちて行った。 「纐纈城....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
半蔵の意見にも相応の理由はある。彼に言わせると、あの聖徳太子が仏教をさかんに
弘めたもうてからは、代々の帝がみな法師を尊信し、大寺大伽藍を建てさせ、天下の財用....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
への出で来らむには、かならずわが説にななづみそ。わがあしき故を言ひて、よき考へを
弘めよ。すべておのが人を教ふるは、道を明らかにせむとなれば、とにもかくにも道を明....
「家」より 著者:島崎藤村
話声が聞えようが、聞えまいが、彼はそんなことに頓着していなかった。ドシドシ薬を売
弘めることを考えた。「大旦那の時分には、あんなに多勢の人を使って、今の半分も薬が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人は上人でお十念《じゅうねん》を授けている間に、こちとらはこちとらで自分の宗旨を
弘める分のことよ」 「なるほど」 「まあ、来てみねえ、仕事がいやならいやでいい、....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
けれども、私は平気でいた。この頃であった、独逸人のスピンネル氏が、基督教を日本へ
弘めるために来てこの人は哲学にもなかなか達していたので、その門人で居た同郷人の三....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
理心得、間、髪を容れざる働きに俊雄君閣下初めて天に昇るを得て小春がその歳暮裾曳く
弘め、用度をここに仰ぎたてまつれば上げ下げならぬ大吉が二挺三味線つれてその節優遇....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
が長崎から天草へ渡り、天草から又ここらへ渡って来て、このあいだから切支丹の教えを
弘めている。その教えがよいか悪いか、おれにはまだ本当に呑み込めないが、ここらでも....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
は曽て小乗の一切経を出版され世界の学界に提供した。後にまた註釈全部を出版して世に
弘めた。ビルマでは有志が出版し、セイロンでも有志が出版して普及を計っている。 ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ますには、チベットは人を殺して喰うという国と聞きますから、かの国がその国に仏法を
弘めるという約束をして貰いたい、また一つには、インドから当国に移って居られたる釈....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
断て。
行もて主を称へまつり、
主に愛を捧げまつる、
同胞めき斎に就き、
み教を
弘めつゝ旅寐し、
来ん世の喜を知らする汝達よ。
師の君は汝達に近くおはす。
師の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。 これに反して、これらの親譲りの便宜なき者が、強い意志を以て四方へ因縁を植え
弘めて行く努力は、よき運命への力強き、確実な行歩であって、逞しい精神力の持主であ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
」 「銀座あたりにいた奴《やつ》はいないか。」 「辰巳家《たつみや》からこの間お
弘めした児、なんていったっけ……。」と年増が飲みかけた盃の手を留めて、眉《まゆ》....