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「弛み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弛みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
子人形が向き合っている。そして、一刻が来るたびに、それまで自動的に捲かれた弾条が弛み、同時に内部の廻転琴が鳴り出して、その奏楽が終ると、今度は二人の童子人形が、....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
と張らせておく。それから、片方引くと解ける方のを鍵穴から潜らせて、それには幾分|弛みを持たせておくんだ。無論鍵の押金が上へ向いていればこそ、可能な話なんだよ。そ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
だかがらんとした感じになった。そして警戒の刑事巡査たちの面前にも、ほっとした気の弛みが浮び出た。 だが、主脳の検察官たちは、いずれもむずかしい顔を解こうとはし....
薬草取」より 著者:泉鏡花
瀬の色も凄いです。 橋は、雨や雪に白っちゃけて、長いのが処々、鱗の落ちた形に中弛みがして、のらのらと架っているその橋の上に茫然と。 後に考えてこそ、翌朝なん....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ざりし里帰を許されて、お通は実家に帰りしが、母の膝下に来るとともに、張詰めし気の弛みけむ、渠はあどけなきものとなりて、泣くも笑うも嬰児のごとく、ものぐるおしき体....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たり。蒲団持ちながら座を立ちたれば、拳の楯に差翳して。 「あら。」 国麿の手は弛みぬ。われは摺抜けて傍に寄りぬ。 「いやです、いやです、あなたはいやです。」 ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
である。 かくして少年ははた掌を拍って塵を払ったが、吐息を吐いて、さすがに心|弛み、力落ちて、よろよろと僵れようとして、息も絶々なお雪を見て、眉を顰めて、 「....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ば、……一寸先へも出られぬのである。 もっとも時|経ったか、竹も古びて、縄も中弛みがして、草に引摺る。跨いで越すに、足を挙ぐるまでもなかったけれども、路に着け....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て嘲ける様な表情を作った。 「いや、君の鳥渡した手脱りからだよ。大体、弾条が全部弛み切れているなんて、使っている蓄音機には絶対にあり得る状態じゃない。君は兇行後....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
た、明快で優に妙なる御姿である。技巧は極めて繊細であるが、よく味ってみれば作者の弛みなき神経が仏像を一貫して、活きて顫動している。そして全体は金色にかがやいてい....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
った。 不思議な老人 「おおそうか、蓋なのか」と、擦ったに連れて独楽の面が弛み、心棒を中心にして持ち上ったので、そう主税は呟いてすぐにその蓋を抜いてみた。....
深川女房」より 著者:小栗風葉
上へ置いて、同じ秩父銘撰の着物の半襟のかかったのに、引ッかけに結んだ黒繻子の帯の弛み心地なのを、両手でキュウと緊め直しながら二階へ上って行く。その階子段の足音の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る。 なるほど、前にもいった通り、第三篇は油の十分乗った第二篇に比べると全部に弛みがあって気が抜けておる。が、同じ時代の他の作家の作と比べて決して見劣りしなか....
活人形」より 著者:泉鏡花
さるな。請合ってきっと助けてあげます。と真実|面に顕るれば、病人は張詰めたる気も弛みて、がっくりと弱り行きしが、頻に袂を指さすにぞ、泰助は耳に口、「何です、え、....
妖影」より 著者:大倉燁子
、商売人なんです。最初の目的は別の方面にあったのですが、若い時はちょっとした心の弛みから、飛んでもない過失をやる事がありますからねえ。気の毒に従兄も失職して長い....