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弥次
「弥次〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弥次の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
にも係わらず、酒井はずッと立って、脊高く車掌台へ出かけて、ここにも立淀む一団の、
弥次の上から、大路へ顔を出した……時であった。 主客顛倒、曲者の手がポカリと飛....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
〇尺、と言い出すより、膝栗毛を思う方が手っ取り早く行旅の情を催させる。 ここは
弥次郎兵衛、喜多八が、とぼとぼと鳥居峠を越すと、日も西の山の端に傾きければ、両側....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
「黄谷青二氏」は、浅間信十郎――これが僕の本名だ――の制止する号令も聞かず、遂に
弥次馬と択ぶところのない声を発しさせてしまった。ちえッ。「ええッ。――」と同じよ....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
は私の方に投げつけるように叫んで、怪人物の跡を追った。そのあとから、真夜中ながら
弥次馬のおしよせてくる気配がした。私は
弥次馬に追越されたくなかったので、驀地に駈....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
桃代 三条 健子 海原真帆子 紅 黄世子 第五・ナンセンス・レビュー
弥次喜多 ●第一景・プロローグ 喜多八 鴨川 布助 ●第二景....
「蠅男」より 著者:海野十三
料が流れだして、泥濘が真青になったと出ています。何もしらないで、現場へ飛びだした
弥次馬たちが、後刻自宅へ引取ってみると、誰の身体も下半分が真青に染っていて、洗っ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
たところには、かならず器物の破壊がおこり、何か物がぬすまれ、そしてあつまってきた
弥次馬がけがをするのであった。 銀座の薬局がおそわれたことがあった。それは白昼....
「火星兵団」より 著者:海野十三
抱えると、表へとび出した。
店頭には、もちろん、このさわぎをみようというので、
弥次馬連中が、わいわい集って来て、店内をのぞいていたが、丸木は、おそれ気もなく、....
「怪塔王」より 著者:海野十三
て逃げるなんて……」 と、一彦は砂丘のかげに寝ころがったまま帆村荘六おじさんを
弥次りました。 すると帆村探偵はにやりと笑って、 「うふふふ、ずいぶん弱虫に見....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
場へ再び行ってみることにした。 河岸ぶちの博士邸をめぐって、どこから集ったのか
弥次馬が蝟集していた。彼等の重りあった背中を分けてゆくのにひと苦労をしなければな....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
なれば、道中、笠も載せられず、と断念めた風に見える。年配六十二三の、気ばかり若い
弥次郎兵衛。 さまで重荷ではないそうで、唐草模様の天鵝絨の革鞄に信玄袋を引搦め....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
弥陀仏と、風が引いたり寄せたりして聞えまする、百万遍。 忌々しいなあ、道中じゃ
弥次郎兵衛もこれに弱ったっけ、耐ったものではないと、密と四辺を※しますると、塵一....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
名に、紫はありながら、杜若には似もつかぬ、三等の赤切符。さればお紺の婀娜も見ず、
弥次郎兵衛が洒落もなき、初詣の思い出草。宿屋の硯を仮寝の床に、路の記の端に書き入....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
汝が家の燃えるのに、そいつを消そうとするんじゃないんで。店先に込合っている大勢の
弥次馬の背後へ廻って、トねらいをつけて、天窓ともいわず、肩ともいわず、羽織ともい....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
いう形で集結されておったが、その連中、軍事研究団の発会式に傍聴に出かけて猛烈なる
弥次闘争を展開した。当日は名前は忘れたが第一師団長?が幕僚を従えて大勢乗り込んで....