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弥次馬
「弥次馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弥次馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
「黄谷青二氏」は、浅間信十郎――これが僕の本名だ――の制止する号令も聞かず、遂に
弥次馬と択ぶところのない声を発しさせてしまった。ちえッ。「ええッ。――」と同じよ....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
は私の方に投げつけるように叫んで、怪人物の跡を追った。そのあとから、真夜中ながら
弥次馬のおしよせてくる気配がした。私は
弥次馬に追越されたくなかったので、驀地に駈....
「蠅男」より 著者:海野十三
料が流れだして、泥濘が真青になったと出ています。何もしらないで、現場へ飛びだした
弥次馬たちが、後刻自宅へ引取ってみると、誰の身体も下半分が真青に染っていて、洗っ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
恰度朝の事で、冷え冷えとした陸橋の上にも、露に濡れた線路の上にも、もう附近の
弥次馬達が、夥しい黒山を作っていました。――その黒山を押崩す様にして分け入った一....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
るく、ジャズの音に溢れていた。が、流石に物見高い市中のこととて、煙草屋の前には、
弥次馬らしい人影が、幾人もうろうろしていた。「青蘭」には、階上にも階下にもかなり....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
そのまま、ガックリなってしまった。 三 根室の水上署員が、
弥次馬達を押分けるようにして惨劇のその場に駈けつけたのは、それから三十分もあとの....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
はじめた。むろん私もその後に続いて、仄白い雪明りの中をうろつきはじめた。表通りの
弥次馬連は、なに事が起ったのだろうと、好奇の眼を輝かして私達のしぐさを見守った。....
「獄中記」より 著者:大杉栄
で片はつくんだ。」 酒場の男どももそれで承知した。地廻りどもも承知した。見物の
弥次馬どもも承知した。しかしただ一人承知のできなかったのは巡査だ。 「貴様は社会....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
たところには、かならず器物の破壊がおこり、何か物がぬすまれ、そしてあつまってきた
弥次馬がけがをするのであった。 銀座の薬局がおそわれたことがあった。それは白昼....
「火星兵団」より 著者:海野十三
抱えると、表へとび出した。
店頭には、もちろん、このさわぎをみようというので、
弥次馬連中が、わいわい集って来て、店内をのぞいていたが、丸木は、おそれ気もなく、....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
場へ再び行ってみることにした。 河岸ぶちの博士邸をめぐって、どこから集ったのか
弥次馬が蝟集していた。彼等の重りあった背中を分けてゆくのにひと苦労をしなければな....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
で出ると、あまりに混雑しては種々の妨害になるというので、岡の中途に縄張りをして、
弥次馬連は現場へ近寄せないことになったと聞いたので、それでは詰まらないと引っ返し....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
を従えて馳けだした。 現場には、もう例の三人の他に、秋森家の女中やその他数人の
弥次馬が集っていた。蜂須賀巡査の顔を見ると、いままで
弥次馬共を制していた雄太郎君....
「牛」より 著者:岡本綺堂
町、横山町と、北をさしてまっしぐらに駈けて行く。火消たちも追って行く。だんだんに
弥次馬も加わって、大勢がわあわあ言いながら追って行く。そうして、とうとう両国の広....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
汝が家の燃えるのに、そいつを消そうとするんじゃないんで。店先に込合っている大勢の
弥次馬の背後へ廻って、トねらいをつけて、天窓ともいわず、肩ともいわず、羽織ともい....