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弥生
「弥生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弥生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
※《さとみとん》、佐藤春夫《さとうはるお》、吉田絃二郎《よしだげんじろう》、野上
弥生《のがみやよい》、――一人残らず盲目《めくら》なのよ。そう云う人たちはまだ好....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ああ、何でも旺盛《おうせい》な本が善い。」
僕は詮《あきら》めに近い心を持ち、
弥生町《やよいちょう》の寄宿舎へ帰って来た。窓|硝子《ガラス》の破れた自習室には....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
のもの。筍の膚も美少年。どれも、食ものという形でなく、菜の葉に留まれ蝶と斉しく、
弥生の春のともだちに見える。…… 袖形の押絵細工の箸さしから、銀の振出し、とい....
「海異記」より 著者:泉鏡花
音の集くにつけ、夫恋しき夜半の頃、寝衣に露を置く事あり。もみじのような手を胸に、
弥生の花も見ずに過ぎ、若葉の風のたよりにも艪の声にのみ耳を澄ませば、生憎待たぬ時....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
白紙に戻して、胃潰瘍をなおすために、甲州下部温泉へ向う。 十一月十八日 ◯岡東
弥生さん、飯田氏へ嫁ぎたり。 ◯朝子育郎両人昨十月下旬、徹郎君所在の広島へ移る。....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
、長年の友情を自分から棄てることもできなかったものと見えて、その家を出た日に野上
弥生子君を訪い、そしてらいちょうにはハガキを出した。が、その後この二人の友人が悪....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
で――石のごつごつした狭い小路が、霞みながら一条煙のように、ぼっと黄昏れて行く。
弥生の末から、ちっとずつの遅速はあっても、花は一時に咲くので、その一ならびの塀の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
けて、ジャズ騒ぎさ、――今でいえば。 主婦に大目玉をくった事があるんだけれど、
弥生は里の雛遊び……は常磐津か何かのもんくだっけ。お雛様を飾った時、……五人|囃....
「雪の日」より 著者:岡本かの子
ああそうかと、私は心にうなずいて今度は尚々、単純な声調で、 さくら、さくら、
弥生の空は、見渡す限り。かすみか雲か、においぞ出ずる。いざや、いざや、見に行かん....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
思われました。 ――時に、重ねていうようですが、三月のはじめです。三月といえば
弥生です。桜は季節でありますけれども、まだどこにも咲いてはいません。ところが、ど....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
猛然として憶起した事がある。八歳か、九歳の頃であろう。雛人形は活きている。雛市は
弥生ばかり、たとえば古道具屋の店に、その姿があるとする。……心を籠めて、じっと凝....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
寝たが、もう一度、うまれた家の影が見たさに、忍んでここまで来たのだ、と言います。
弥生の頃は、金石街道のこの判官石の処から、ここばかりから、ほとんど仙境のように、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
するとは知れど、式部の藤より紫濃く、納言の花より紅淡き、青柳町の薄紅梅。 この
弥生から風説して、六阿弥陀詣がぞろぞろと式部小路を抜ける位。 月夜烏もそれかと....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
にもう一条「怪談録」から大意を筆記したい事がある。 大森辺魔道の事 明和三年|
弥生なかば――これは首尾の松の霜、浅間の残暑、新堀の五月雨などとは事かわって、至....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
すると、冬子は澄んでいい声で唄い出しました。 『さるほどに遠藤武者|盛遠は、春も
弥生の始めつかた霞がくれの花よりも、床しき君の面影を、見初めし緑のはし供養、あけ....