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弱く
「弱く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弱くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ミケルという世間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人で、身体も
弱く、貧乏であったので、子供達には早くからそれぞれ自活の道を立てさせた。 ヤコブ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
う。だが、私はこの幾行かの手記を読む人々のために書いているのではない、ともすれば
弱くなりがちな自分の勇気をかきと云って聞かせるために綴るのだ。 私は素朴な両親....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
えず人で雑沓するからである。 教会のなかがじめじめしているために、体がいよいよ
弱くなって、彼はめッきり年をとった。そして、彼が心ひそかに念じている一縷の望みも....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
もう百日紅《ひゃくじつこう》の花が散って、踏石《ふみいし》に落ちる日の光も次第に
弱くなり始めた。二人は苦しい焦燥の中に、三年以前返り打に遇った左近の祥月命日《し....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
る夫人も、「るしへる」自らその耳に、邪淫《じゃいん》の言を囁きしを。ただ、わが心
弱くして、飽くまで夫人を誘《さそ》う事能わず。ただ、黄昏《こうこん》と共に身辺を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るとのことでございます。 さて最初地上に生れ出でた一人の幼児――無論それは力も
弱く、智慧もとぼしく、そのままで無事に生長し得る筈はございませぬ。誰かが傍から世....
「或る女」より 著者:有島武郎
いつまでも目の前に立ち続いていた。古綿《ふるわた》に似た薄雲をもれる朝日の光が力
弱くそれを照らすたびごとに、煮え切らない影と光の変化がかすかに山と海とをなでて通....
「或る女」より 著者:有島武郎
ふんじょう》や周囲から受ける誤解を、岡君らしく過敏に考え過ぎて弱い体質をますます
弱くしているようです。書いてある事にはところどころ僕の持つ常識では判断しかねるよ....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
さんは子どもを抱きましたが、なかなか重い事でした。 この子どもの左足はたいへん
弱くって、うっかりすると曲がってしまいそうだから、ひどく使わぬようにしなければな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
トル二重星』の観測の結果もやはり同様である。多くの場合に二つの恒星の一方は光輝が
弱くて認められない。そういうのを名づけて『暗黒随伴体』という。甚だ珍しいのは変光....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
…」 泣くのに半ば言消えて、 「よ、後生ですから、」 も曇れる声なり。 心
弱くて叶うまじ、と廉平はやや屹としたものいいで、 「飛んだ事を! 夫人、廉平がこ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
衛、 「これ、その位な事は出来よう。いや、それも度胸だな。見た処、そのように気が
弱くては、いかな事も遣つけられまい、可哀相に。」と声が掠れる。 「あの……私が、....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
、その時はまださまでにも思わずに、 「母様の記念を見に行くんじゃないか、そんなに
弱くっては仕方がない。」 と半ば励ます気で云った。 「いいえ、母様が活きていて....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
卑怯な事は謂わない、己を怨め、酒井俊蔵を怨め、己を呪えよ! どうだ、自分で心を
弱くして、とても活きられない、死ぬなんぞと考えないで、もう一度石に喰ついても恢復....
「海異記」より 著者:泉鏡花
せん、お前さん、何が、そう気に入らないんです。」 と屹といったが、腹立つ下に心
弱く、 「御坊さんに、おむすびなんか、差上げて、失礼だとおっしゃるの。 それで....