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弱さ
「弱さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弱さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
った。
彼の念頭には、沙金がある。と同時にまた、次郎もある。彼は、みずから欺く
弱さをしかりながら、しかもなお沙金《しゃきん》の心が再び彼に傾く日を、夢のように....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
。ところが市会では傍聴を禁止するという決議をしてしまった。つまり、市長の政治力の
弱さ、市会の理事者側に対する厭がらせのとばっちりを受けたものと思う。亦一つはやは....
「或る女」より 著者:有島武郎
とめた。葉子はさえぎられて是非なく事務テーブルのそばに立ちすくんだが、誇りも恥も
弱さも忘れてしまっていた。どうにでもなれ、殺すか死ぬかするのだ、そんな事を思うば....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
じて一種の尊敬を、そうでなければ一種の憐憫を、搾り取ろうとする自涜も知っている。
弱さは真に醜さだ。それを私はよく知っている。 然し偽善者とは弱いということばか....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
るものはなかった。それをお前たちの母上は成就《じょうじゅ》してくれた。私は自分の
弱さに力を感じ始めた。私は仕事の出来ない所に仕事を見|出《いだ》した。大胆になれ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
びた土のなかで静かに枯死するように、生色なく、生気なく、しだいに自分のからだを衰
弱させて行った。彼を注視している者のうちには、今度こそは本当に死ぬのではないかと....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
維持するための所属や、生活権擁護のための組合は別である)。 それが自分の意志の
弱さから、つい、うつかり禁制を破つてはいつも後悔する羽目に陥つている。今度のこと....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
すむということを考えては、不快な時間になるべく出遇わないようにしたいという私の心
弱さから、いつでも黙って忍びました。そして、私の家庭はかなり平和な日を送ることが....
「孟母断機」より 著者:上村松園
が、年少の孟子の心を激しくゆすぶったのである。 孟子は、その場で、自分の精神の
弱さを詫びて、再び都へ学問に戻った。 数年ののち、天下第一の学者となった孟子に....
「暗号数字」より 著者:海野十三
んとなく不安であった。彼はそれが常住の土地を離れた者の望郷病だと解し、自分の心の
弱さを軽蔑した。 食事がすんで時計を見ると、列車にのるまでまだ小一時間もたっぷ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
激動にたえ発狂もせずに無事通りすぎたものだと思う。僕がこう記すと、中には僕の気の
弱さを嗤う人があるかもしれない。だが、それは妥当でない。あの凄絶無比の光景を本当....
「階段」より 著者:海野十三
ら、いくら僕が弱くてもどうにかお役に立ったろうにと思ってね」と四宮理学士は自分の
弱さを慨いたのであったが、僕にはそれが却て老獪に響いた。 「あの前、貴方は階段の....
「雷」より 著者:海野十三
、叩きつけるように云った。 それを聞くと同時に、四郎の顔から、今までの含羞や気
弱さが、まるで拭ったように消え去った。彼は、くそ落付に落付いて挨拶を交わした。 ....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
るならば、火星の気圧は地球のそれに比べてはなはだ低いので、おそらく彼等の体躯の脆
弱さは、とても地球上の生存に適しないであろう。これはあたかも、人間が数百貫の大石....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
や忽ちにして警察の取調べがこの天井裏の電線に及ぶのを慮って、其処は秘密を持つ身の
弱さ、望遠鏡を外すために人知れず梯子を昇って這い上ったのである。 当然、樫田武....