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「弱年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弱年の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
候は天の無為を罰してしかるものとみずから憫《あわれ》むのほかこれなく候貴女はなお弱年ことに我国女子の境遇不幸を極めおり候えば因習上小生の所存御理解なりがたき節《....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
さすがはお殿様にござります。京弥ほとほと感服仕りました」 「いや、そちの手並も、弱年ながらなかなか天晴れじゃ。これでは妹菊めの参るのも無理がないわい。――では、....
佐橋甚五郎」より 著者:森鴎外
こえるが、所詮《しょせん》は間違《まちご》うておるぞよ。しかしそちも言うとおり、弱年の者じゃから、何かひとかどの奉公《ほうこう》をいたしたら、それをしおに助命い....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
時代の武士、中々味のある勝負をしている。又五郎は琢磨兵林によると真刀流の達人で、弱年の頃「猫又」を退治したと書いてあるが、「猫又」などという代物が怪しいように、....
振動魔」より 著者:海野十三
ど病気に倒れる直前には、その宗教団体の選挙があって、彼は猛然なる運動の結果、その弱年にも拘らず、非常に重要な地位に就いた。凡そ宗教家とか社会教育家というものほど....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
その時の家茂の言葉に、両人ともよく言った、その意見は至極自分の意に適った、自分は弱年の身でこの大任を受け継いだとは言うものの、不幸にして内外多事な時にあたり、禍....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ような有様である。 ある日弓之進が伺候すると、 「そちの養子葉之助、今年十二の弱年ながら珍らしい武道の達人の由、部屋住みのまま百石を取らせる、早々殿中へ差し出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と戦った、また千葉の小天狗栄次郎殿や、練兵館の歓之助殿(斎藤弥九郎の次男歓之助、弱年にして鬼歓《おにかん》の名を得たり)は怖ろしい相手だと思うが、それは怖ろしく....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
大胆な少年をながめた。少年は彼らと同じく宿もなく、同じく世に孤立の身であり、同じ弱年ではあったが、何かすばらしい万能なものを持っており、あたかも超自然的な者のよ....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
い」 「むろん信心してるのさ。あの夫人にはたしかに妙な霊力があるし、それに管長が弱年に似ず商売熱心なんだね。教祖が直々患者を診察するのは一度だけで、あとは管長そ....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
方は詳しい、以上の二人の中の一人がいれば案内は出来る、大湯温泉東栄舘の桜井次郎は弱年であるから保証はしにくい、藪神村の桜井兼吉は遠方だから予定することは出来まい....
澪標」より 著者:外村繁
、今まで病気らしい病気をしたことがない。私は愕然とした。そうして悲歎した。しかし弱年の故であろう。私は死そのものについては深く考えることはなかった。 本家の伯....