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「弱肉強食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弱肉強食の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
善の研究」より 著者:西田幾多郎
たのは近世の始に出た英国のホッブスという人である。氏に従えば人性は全然悪であって弱肉強食が自然の状態である。これより来る人生の不幸を脱するのは、ただ各人が凡ての....
死生」より 著者:幸徳秋水
狼の餌食となる動物の世界から進化して、尚だ幾万年しか経ない人間社会に在って、常に弱肉強食の修羅場を演じ、多数の弱者が直接・間接に生存競争の犠牲となるのは、目下の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
れを取って戻ると、玉蜀黍の畑に見えなくなった了うた。 優勝劣敗は天理である。弱肉強食は自然である。宇宙は生命のとりやりである。然し強いものゝ上に尚強いものが....
路傍の木乃伊」より 著者:夢野久作
名に仮装されていながら内実は、社会主義者と同様の虚無思想であり、その生活の目標が弱肉強食と黄金万能の動物的享楽以外の何物でもない事がわかった……無良心、無節操、....
便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
らないと考える人々は、労働者にしろ学者にしろ、資本の独占の形や、それを守るための弱肉強食に賛成しない。それらの人々はあいかわらず、侵略戦争に反対しているし、戦争....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
、それが各猛烈な恋愛をやったり、噛み合ったり殺し合っているのだから怖ろしい、その弱肉強食、殺合いが極く自然に、合理的に行われているのでますます気味の悪さを感じる....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
食となる動物の世界から進化して、まだ幾万年しかへていない人間社会にあって、つねに弱肉強食の修羅場を演じ、多数の弱者が直接・間接に生存競争の犠牲となるのは、目下の....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
なりといえども、腹中《ふくちゅう》各※《おのおの》針を蓄《たくわ》え、優勝劣敗、弱肉強食、日々に鷙強《しきょう》の欲を逞《たくま》しうし、頻《しき》りに東洋を蚕....
魔都」より 著者:久生十蘭
三進《さっち》も行かぬ借金の穴埋めをしようと血眼になって走り廻っている。どうせ、弱肉強食の世界、これを聞いて見逃して置くわけはない。あの青二才の過ぎた仕事だ、そ....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
る婦人客、踏み殺される子供、積み過ぎてあわやと言う間に底を見せる短艇、最も露骨な弱肉強食の場面――この地獄の現出を避けて、船長は遂に真相を発表せずに最後の瞬間を....
世界の裏」より 著者:国枝史郎
る。 日本の夫れは大家族主義的、相互扶助的であるが、米国の夫れは、利己主義的、弱肉強食的である。 米国ギャングのその例は、有名な「暗黒の王」アル・カポネの所....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
うじゃが人間の子の間でもそうだろう。子を生むだけ生んで、それを育てる段になると、弱肉強食でえらいもの勝だろう。人間の子はえらい悪くなったという評判がここにも立っ....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
十分だと思う。 その上に被害者が、もし見にくい池の蛙などであったら、果してこの弱肉強食の現実に当面して、能く同一程度の義憤を起し得たかどうかも、また大なる疑問....