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「弱音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弱音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
は男のように鋭い女だ。俺の手にはおえない」 「なんだペン公、亭主のくせに、情ない弱音を吹くな」 「いや亭主はもう廃業しようかと思っている。あんな女に連れ添ってい....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
迫をくりかえした。 「この次起ったら七回目だぜ。少々こたえるね」 ドレゴが遂に弱音をちょっぴり吐いた。 「われわれはピストンにつかまっているんだと思ってりゃ、....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
省作は今年十九だ。年の割合には気は若いけれど、からだはもう人並み以上である。弱音を吹いて見たところで、いたずらに嘲笑を買うまでで、だれあって一人同情をよせる....
地中魔」より 著者:海野十三
くことにしてはどうかな」 大辻は岩の靴型を握る手を震わしながら、いよいよ本音の弱音を吐きだした。 「驚くなんてみっともないよ」 と三吉は大きい男をたしなめた....
少年探偵長」より 著者:海野十三
もうこのへんでへたばって声をあげようと思ったこともたびたびであった。しかし自分が弱音をはいては、他の二人をがっかりさせると思い、歯をくいしばってがんばった。みん....
恐竜島」より 著者:海野十三
ゆくてをさえぎり、前進に骨がおれる。が、誰もこのへんでもときた方へ引返そうなどと弱音《よわね》をふく者はなかった。そうでもあろう。こわいとか危険だとか恐ろしいと....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
しかしもう決心したことだから、途中でもって、「この綱をひき上げてくれ」などと弱音《よわね》があげられたものではない。八木少年は、自分の心をはげましながら、な....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
、ミミ族のおいかけてこない星へ移住する手はないだろうか」 などと、あいかわらず弱音をはく人間が、いわゆる文化国民の間に少くなかった。 そうかと思うと、てんで....
火星兵団」より 著者:海野十三
ことである。 ある人々は、この際だから、火星人に助けを求めるより外なかろうと、弱音をはいていた。火星の外に、人間に近い生物のいる星はないのであるから……。 ....
怪塔王」より 著者:海野十三
これはかなわん。おい一彦君、はやく逃げるんだ」 と、帆村探偵はふだんにも似ず、弱音をはいて逃げだしました。 「あっはっはっ、ざまを見ろ」 怪塔王は、なおもか....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
「ずいぶん弱虫だなあ、大辻さんは。僕の何倍も大きなからだをしているくせに、そんな弱音をはいて、それでよくも、はずかしくないねえ」 「じょ、冗談いっちゃいけない。....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
大男のピート一等兵が、からだに似合わぬ悲鳴である。 「こら、ピート一等兵。そんな弱音をはいちゃ、幽霊指揮官どのに、笑われるじゃないか」 「でも、自分はもう、この....
獄中消息」より 著者:大杉栄
の気がないというだけで、着物は十分に着ているのだから巣鴨の同志のことを思えばそう弱音もはけない訳さ。窓外の梅の花はもう二、三分ほど綻びて居る。寒いと言ってもここ....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
岐殿坂時代となると飛白の羽織を着初して、牛肉屋の鍋でも下宿屋の飯よりは旨いなどと弱音を吹き初した。今は天麩羅屋か何かになってるが、その頃は「いろは」といった坂の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いって淋しく笑った。 一体が負け嫌いの病気に勝つ方で、どんなに苦しくても滅多に弱音を吹かなかった。官報局を罷めてから間もなく、関節炎に罹って腰が立たなかった時....