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張出
「張出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
張出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に依れは横広なる戦線が正面狭小で通常縦深に配備せられた敵に向い前進するのである。
張出せる両翼は敵の両側に向い旋回し、先遣せる騎兵は敵の背後に迫る。若し何らかの事....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
―三日目に、仕入の約二十倍に売れたという 味をしめて、古本を買込むので、床板を
張出して、貸本のほかに、その商をはじめたのはいいとして、手馴れぬ事の悲しさは、花....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
からね、君から断ってくれたまえ。」 と真面目で云って、衣兜から手巾をそそくさ引
張出し、口を拭いて、 「どうせ東京の魚だもの、誰のを買ったって新鮮いのは無い。た....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
んなら、妻を――人の見る前、夫が力ずくでは見っともない。貴方、連出して下さい、引
張出して下さい、願います。僕を、他人だなんて僕を、……妻は発狂しました。」 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、その附根の処を、横に切って、左角の土蔵の前から、右の角が、菓子屋の、その葦簀の
張出まで、わずか二間ばかりの間を通ったんですから、のさりと行くのも、ほんのしばら....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
のんびりとしたものだ。口上が嬉しかったが、これから漫歩というのに、こぶ巻は困る。
張出しの駄菓子に並んで、笊に柿が並べてある。これなら袂にも入ろう。「あり候」に挨....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
直ぐにあとをつけて行くつもりだっけ、例の臆病だから叶わねえ、不性をいうお前を、引
張出して、夢にも二人づれよ。」 「やれやれ御苦労千万。」 「それから戸外へ出ると....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
、江の浦までは、大分前に通じましたが、口野からこちら……」 自動車は、既に海に
張出した石の欄干を、幾処か、折曲り折曲りして通っていた。 「三津を長岡へ通じまし....
「露肆」より 著者:泉鏡花
きたとも言わず、黙って溝のふちに凍り着く見窄らしげな可哀なのもあれば、常店らしく
張出した三方へ、絹二子の赤大名、鼠の子持縞という男物の袷羽織。ここらは甲斐絹裏を....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
実は小春日の明い街道から、衝と入ったのでは、人顔も容子も何も分らない。縁を広く、
張出しを深く取った、古風で落着いただけに、十畳へ敷詰めた絨毯の模様も、谷へ落葉を....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
薄ら蒼い、ぶよぶよとした取留の無い影が透く。 三 大方はそれが、
張出し幕の縫目を漏れて茫と座敷へ映るのであろう……と思う。欄干下の廂と擦れ擦れな....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
もしないであろうが、飯蛸なぞもそうである……栄螺、黄螺、生の馬刀貝などというと、
張出した軒並を引込んで、異に薄暗い軒下の穴から、こう覗く。客も覗く。…… つま....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
はじめた。長い矩形に作られている本館の中央は、半円形に突出していて、左右に二条の
張出間があり、その部分の外壁だけは、薔薇色の小さな切石を膠泥で固め、九世紀風の粗....
「光は影を」より 著者:岸田国士
「あゝ」なのか。彼女の顔が、かつて、のぞき、彼女の影が、かつて、映つていた二階の
張出し窓は、雨戸が固く閉じられ、やがて朝日の射すであろう白々とした障子さえ、今は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
南、秋山要左衛門の子息であり、侠骨凌々たるところから、博徒赤尾の磯五郎を助け、縄
張出入などに関係したあげく、わざと勘当されて浪人となり、江戸へいでて技を磨き、根....