張子の虎[語句情報] » 張子の虎

「張子の虎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

張子の虎の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
や青柳のことは直《じき》に忘れていた。 大師前には、色々の店が軒を並べていた。張子の虎《とら》や起きあがり法師を売っていたり、おこしやぶっ切り飴《あめ》を鬻《....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
島もないしょんぼりした気持になった。火の気を消してしまった火鉢の上に手をかざし、張子の虎のように抜衣紋した白い首をぬっと突き出し、じじむさい恰好で坐っているとこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い物の影が忍んでいるのを発見した。うす暗い行燈の光りでよく視ると、それは黄いろい張子の虎で、お駒の他愛ない寝顔を見つめているように短い四足をそろえて行儀よく立っ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
ろう、太平に馴れ、俸禄にあまやかされ、その方《ほう》ら軍務についていたものどもは張子の虎になりおった、時の勢いとして深くは咎《とが》めぬなれど、敗軍は敗軍じゃ、....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
お且つ冠たるを得べく、殊に名物の葛餅、よそでは喰べられぬ砂糖加減である。お土産の張子の虎や眼なし達磨、これも強ち御信心がらでないのが味なところだ。 躑躅も日比....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》たる道庵は動きが取れない。石の重しをかけられて、首と両手と両足をもがくばかり。張子の虎のような、六蔵の亀のような形を、裸松はおかしがり、 「ザマあ見やがれ。お....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
や兵隊さんがありますが、あの種類で、裸体の男が前を出して、その先きへ石を附けて、張子の虎の首の動くようなのや、おかめが松茸を背負っているという猥褻なのがありまし....
」より 著者:織田作之助
ないしょんぼりした気持になった。 火の気を消してしまった火鉢の上に手をかざし、張子の虎のように抜衣紋した白い首をぬっと突き出して、じじむさい恰好で坐っていると....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
のでも彫る。そこで、洋傘の柄を彫る。張子の型を彫る(これは亀井戸の天神などにある張子の虎などの型を頼みに来れば彫るのです)。その他いろいろのものを注文に応じて彫....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いと感じる間がなかったからである。八十馬は、へなへなと肩も眼じりも下げてしまい、張子の虎のように首を左右へぶるると振って後ろへ引っくりかえってしまった。 「他愛....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
舎弟、四条はもうついそこでござりますぞ」 一人が駕へいったが、駕の中の巨漢は、張子の虎のようにガクガク首を振りながら、快げに居眠っているのだった。 そのうち....
」より 著者:織田作之助
し、何かとりつく島の無い気がした。火の気を消してしまった火鉢の上に手をかざして、張子の虎の様に抜衣紋をした白い首をぬっと突き出し、じゞむさい恰好でぺたり坐ってい....