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「張扇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

張扇の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
張扇から叩きだすと、「伊賀の水月、三十六番斬り」荒木又右衛門|源義村《みなもとの....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ろえて待ちうける。いや、とてもわたくしが修羅場をうまく読むわけには行かないから、張扇をたゝき立てるのは先ずこのくらいにして、さて本文に這入りますと、なにを云うに....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
窮迫に沈淪していた時代であった。現家元六平太氏が家元として引継がれた品物は僅かに張扇一対というのが事実であったから、能静氏も表面は立派な邸宅に住みながら、内実は....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うむうむ、それをいま知ったか」 「面白い、荒木の三十六番斬りなんというのは、よく張扇《はりおうぎ》で聞くが、いつも壮快じゃ、荒木の前に荒木なく、荒木の後に荒木な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
釈師らしいが、人品骨柄はどうも、はえぬきの講釈師とも思われない。見台を前にして、張扇《はりおうぎ》でなく普通の白扇《はくせん》を斜《しゃ》に構えたところなんぞも....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、上方へ参ります」 「路銀、支度のことなど、調えておいた」 「足りないところは、張扇《はりおうぎ》から叩き出す」 と、南玉が云った時、南玉の表口あたりで 「師....
魔像」より 著者:林不忘
おんとうじん》の忠相をして、こんな激しい言葉を吐かせる位だから、よほどの悪人だ。張扇《はりおうぎ》が高座から叩き出したところによると、この長庵、駿州江尻在《すん....
金狼」より 著者:久生十蘭
のは久我の野郎なんですぜ。だから……、あたしにあこうも思われるんです。古田はただ張扇を叩いただけで、きょうの修羅場を書下したのは、じつは久我なんじゃないか、って....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
ったので、楽屋で聴いていて感に堪えた一前座はにわかに講釈がいやになってピシーリと張扇を折り、柳桜門下にはせ参じた。だのにこの男、一向に売れなかったという挿話に至....
小説 円朝」より 著者:正岡容
、親爺に連れていって貰って聴いたことのある講釈師の修羅場《ひらば》。そのヒラバの張扇《はりおうぎ》の入れ方だったっけ、今この自分の槌の入れようは。 いいなあヒ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
れたが、これだけは、もう一度、また一度と、きかせて貰った。調子に乗ると、手拍子が張扇子になって、しかも自己流の手ごしらえ。それでもお惣菜の卯の花だ、とお孝の言訳....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
を舞え。わるく、この酒でちらッかな目の前五六尺が処へ面を出して見ろ、芸は未熟でも張扇で敲き込んでるから腕は利くぞ。横外頬を打撲わせるぜ。 またその鉄葉屋と建具....
日和下駄」より 著者:永井荷風
》の定席が向合っているので、堂摺連《どうするれん》の手拍子《てびょうし》は毎夜|張扇《はりおうぎ》の響に打交《うちまじわ》る。両国《りょうごく》の広小路《ひろこ....
随筆銭形平次」より 著者:野村胡堂
な存在で、すでに寛永御前試合の毛利玄達の手裏剣といったものが、いと面白く講釈師の張扇《はりおうぎ》の先から生まれて出たわけである。鉄砲か弓のような大きな機構を持....