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「張札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

張札の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
能力のない白痴もしくは不具者に限るのさ。それで殺されたい人間は門口《かどぐち》へ張札をしておくのだね。なにただ、殺されたい男ありとか女ありとか、はりつけておけば....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
とせんだってここを通って「日本一急な坂、命の欲しい者は用心じゃ用心じゃ」と書いた張札が土手の横からはすに往来へ差し出ているのを滑稽《こっけい》だと笑った事を思い....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
絵はない、かの女はあわて気味に近寄った。錯覚ではない。むす子の絵は姿も形もない。張札だけが曲っている。 「どうしたんだろう、一郎の絵――」 かの女は口に出して....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る 御用の御方は北隣△△氏へ御申残しあれ 小包も同断 月日 氏名 斯く張札して置いた。稀には飼犬を縁先きの樫の木に繋いで置くこともあったが、多くは郵便....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ちこちでMに注意されたように、「抵制日貨」という、日本の商品に対するボイコットの張札がいたるところの壁にはりつけられてあった。 そして僕は、それともう一つは日....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
等万般説諭なせどもなかなかに鎮まらず、或は浅草今戸町その外処々の辻々へ貧窮人等が張札をして区々の苦情を演《の》べたるうへ、先づ差当り白米の代価百文に付《つき》五....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
かった。僕はそのなかを無意味に大股に歩いて、そして出て来た。街の辻々になどという張札がある。犬猫を拘禁して置けというのは、はやり病の予防のためだなと僕は思いなが....
芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
れ家《が》も、 「姦婦《かんぷ》鎌子ここにあり、渋谷町の汚れ立|退《の》け」 と張札《はりふだ》をして、酒屋、魚屋、八百屋連の御用聞《ごようきき》たちが往来のも....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
知らないからシャボテン派なんだろうというています。今日も三人来ました。然し玄関の張札を見て早々帰ります。甚だ結構です。以上。 十月十二日金生 虚....