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「張紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

張紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
めていた山崎譲は、背伸びをして、その甲源一刀流の大額の、門弟席の初筆から三番目の張紙の上へ、グジャグジャに濡れていた手拭を叩きつけたから、 「先生、ナ、ナニをな....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
と、陽炎に影を通わす、居周囲は時に寂寞した、楽屋の人数を、狭い処に包んだせいか、張紙幕が中ほどから、見物に向いて、風を孕んだか、と膨れて見える……この影が覆蔽る....
野道」より 著者:幸田露伴
を草に布いてその上へ腰を下して、銀の細箍のかかっている杉の吸筒の栓をさし直して、張紙の※口|呑んだままなおそれを手にして四方を眺めている。自分は人々に傚って、堤....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
価値がある。 果せる哉《かな》。この宣伝ビラの「切支丹」の文字だけに、翌日から張紙がされて、その上に改めて、「西洋」の二字が記されました。 この興行の勧進元....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
時だ、嚇《おどか》しっこなし」 「生首は嘘だが、まあ外へ出てごらんなさい、大変な張紙だ」 「エ、張紙?」 張紙と聞いてやや安心をしました。やや安心したけれど、....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
べていた。 戦争だ! と誰かが叫んだ。みんなが駈けてゆくさきは交番だった。何か張紙がしてあって、巡査さんが熱そうな顔をしていた。交番の前は、遠くから黒山の人だ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
出したらかみ切ってしまいそう。小滝通りでおりて、坂をあがって行く。トタンやの店に張紙あり。 「風水害で破損した箇所修繕のためブリキトタン御入用の方は、もより交番....
魔像」より 著者:林不忘
、そうコロコロ死んでたまるかッ」 「御意《ぎょい》にございます。なれど、そういう張紙《はりがみ》でございましたから――」 「張紙張紙とは、何の張紙か」 「は....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
投げるように手を振って、ぎんが買い出しに来る頃合いをみて「本日は負からずデー」と張紙などして、からかったりした。 ぎんは器用なたちだったので、大抵の繕い物は自....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
た妓家の二階にして、「火の用心」と「男女共無用の者二階へ上《あが》るべからず」と張紙したる傍《かたわら》の窓下には、女の鏡台多く据《す》ゑ並べありて、数人の歌妓....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
には普通の行政を施すことが出来難い事情があったものと見え、同年十月一日の国府庁の張紙には、「国中の事に於ては秀衡・泰衡の先例に任せ、其の沙汰を致すべきものなり」....
」より 著者:永井荷風
家中《いっかちゅう》に響き渡った。 がたんがたんと、戸、障子、欄間《らんま》の張紙《はりがみ》が動く。縁先の植込みに、淋しい風の音が、水でも打《ぶ》ちあけるよ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
かは私にも薩張り見当はついていないのだ。 「無用の者入ることを禁ず。大林区署」と張紙して、天幕の中に一切の荷物を残し、身軽になって出掛けた。しげしげ通行する鉱山....