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強健
「強健〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強健の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
倉地も涼しげな単衣《ひとえ》に絽《ろ》の羽織《はおり》を羽織ったままだった。その
強健な、物を物ともしない姿は夏の朝の気分としっくりそぐって見えたばかりでなく、そ....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
依れば、お露は美人ならねどもその眼に人を動かす力あふれ、小柄《こづくり》なれども
強健なる体格を具《そな》え、島の若者多くは心ひそかにこれを得んものと互に争いいた....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
い》子、それに病気揚句の吾輩《わがはい》である。吾輩は腹式呼吸と実験から得た心身
強健法とで、漸《ようや》く病気の全快したばかりのところへ、要務が山積しているので....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
は、これこそなによりも生き生きとした楽しみの源泉である、ということだ。ちょうど、
強健な人が筋肉を働かせる運動を喜んで自分の肉体的能力を誇るのと同じように、分析家....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
の烈しい労働を為《す》るからでも有ましょう、私の叔母でも、母親《おふくろ》でも、
強健《つよ》い捷敏《はしこ》い気象です。私は十三の歳《とし》から母親に随《つ》い....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
のロケット艦をやすやすとミルキ国に入城させるより外ありません。せめてここに百名の
強健な兵士がおれば、国都は一時支えられます。いや百名と揃わなくとも五十名でもなに....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
――全然都会の臭味から免疫されて、過敏な神経や過量な人為的知見にわずらわされず、
強健な意力と、強靱な感情と、自然に哺まれた叡智とをもって自然を端的に見る事のでき....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
る女に遭遇うこともある。Oの母にはそんな荒々しさが無い。何しろこの婦人は驚くべき
強健な体格だ。Oの姉も労働に慣れた女らしい手を有っていた。 私はB君や、B君の....
「家」より 著者:島崎藤村
さも厄介なという風に、「世話してくれてる人がよく来て話します。まあ心はどれ程|御
強健なものか知れませんなんて……こういう中でも、貴方、月々送るものは送らなけりゃ....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
歩いて居りました、深編笠で顔を隠し其上俯向いて居りますので顔は少しも解りませんが
強健な姿から推察ると偉貌の持主に相違ありません。黒紋附に細身の大小、緞子の袴を穿....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
そのために一時は腸をわずらいしが、ほどなく全快、いまは数十頭の子を生んで、しごく
強健に暮らしている。....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
福ともいわれませんけれど、その一生に長命の人以上の仕事をせられたのですから。元来
強健という体質ではなく、学生時代に肋膜炎を患ったこともありましたし、その作の「仮....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
人にとってもっとも不適当なる時刻であり、かつもっとも不愉快なる天気でありて、平素
強健なる人といえども、自然気分が悪くなるくらいであるから、まして病み疲れたるもの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の昇るごとく強大になったのはどういう理由であるかというお尋ね。「それは人民を充分
強健に教育して、天賦の愛国心を発揮せしめたからであります。しかし国を出でてより長....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
えども、彼らの社会において、すべてが同一の境遇にいることはありえない。智能勝れ、
強健にしてよく勤労に堪えうるものが、自然その社会に勢力を占有して、幸福な生活を遂....