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強心剤
「強心剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強心剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
、ウオーウオーとけだもののような声を出して苦悶《くもん》していた。驚いて看護婦が
強心剤のアンプルを切って、消毒もせずに一代の胸に突き刺そうとしたが、肉が固くては....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
て器械人形と遊戯させた。
そうしてアルコールと、ニコチンと、阿片と、消化剤と、
強心剤と、催眠薬と、媚薬と、貞操消毒剤と、毒薬の使い方を教えて、そんなもののゴチ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
っと時間があった。一座は、ここでほっと一息いれた。 机博士は、戸倉老人の腕に、
強心剤の注射を終えると、自分の指先をアルコールのついた脱脂綿で拭って、それからぎ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
侍医長は、羚羊の生血と、猿の脳エキスと、印度大麻草の煎汁と、樟脳精を混合した
強心剤の大椀を捧げ、西蔵風のアラベスクを金象嵌した極彩色の法皇の寝台へ近づいて行....
「安死術」より 著者:小酒井不木
たのであります。決して助からぬ運命を持った患者の死に際に、カンフルを始めその他の
強心剤を与えて、弱りつつある心臓を無理に興奮せしめ、患者の苦痛を徒らに長びかすと....
「印象」より 著者:小酒井不木
て喜ばしそうな顔をしましたが、唇が少しく紫色になって居りましたから、私はあわてて
強心剤を注射しました。然し脈搏は非常に悪く、果して無事にお産が出来るかどうかが気....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
大部分は、カンフルを御土産として、あの世に参ります。このカンフルは申すまでもなく
強心剤即ち心臓の働きを強くさせる薬剤ですから、つまり医学の究極は心臓を強くさせる....
「冒した者」より 著者:三好十郎
されていないよ。又この場でこの人が死ねば、君たちが証人で、俺はしばられる。ハハ、
強心剤と鎮静剤を打っとくだけだ。(ニヤリと一同を見まわしてから、注射する) 織子....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
野医院の、赤い門灯が遠い所に浮かんでいるように思われた。 私は妻の様子を告げ、
強心剤の注射でもと言ってみた。が、小野医師は首傾けたままだった。 「さあ、しかし....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
わゆる対症療法ともいうべきもので、熱の高い患者に氷をあてがい、心臓の弱った患者に
強心剤を与えるようなものであります。それを怠ってならぬことはむろんでありますが、....