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強欲
「強欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ついに四十年前の憐むべき状態《ありさま》に立ちいたったのであります。しかし人間の
強欲をもってするも地は永久に殺すことのできるものではありません。神と天然とが示す....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
では、喧嘩になるのはもっともだと思った。しかし、この頑固さを、世間でいうように、
強欲とか吝嗇《りんしょく》とかに片づけてしまうのは当らないと思った。 ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しても一介の絵かきふぜいには分にすぎたあの屋敷構えはどうしたことじゃ」 「名代の
強欲者でございますゆえ、高い画料をむさぼって、ためあげたものにござります」 「聞....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
まあ、見ていさっせれ――牛方もなかなか粘りますぞ。いったい、角十は他の問屋よりも
強欲すぎるわなし。それがそもそも事の起こりですで。」 半蔵はいろいろにしてこの....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
辞令に巧な智識階級の狡猾さはとりませんが、小供や、無智な者などに露骨なワイルドな
強欲や姦計を見出す時、それこそ氏の、漫画的興味は活躍する様に見えます。氏の息のま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
過去のことばかりを考えて現在のことを少しも考えようとしない年寄りらしく、いかにも
強欲で、我儘であった。彼女はあらゆる流行社会に頭を突っ込んでいたので、舞踏会にも....
「「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
下鉄・サムの「新弟子」位の腕にあやかりたいと思ってはみても、いや、それはやっぱり
強欲というもの。 三度の飯を四度食べても、毎日一度は探偵小説を読まねば気が済ま....
「桜の園」より 著者:神西清
わい…… ロパーヒン あなたのお兄上、このガーエフさんは、わたしのことを下司だ、
強欲だと言われますが、そんなこと、わたしは一向平気です。なんとでも仰しゃるがいい....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
。養母さんと喧嘩したんだろう。お粂婆さんと来たひにゃア、骨までしゃぶろうっていう
強欲だからな。構うものか呶鳴ってやりねえ。俺らも助太刀をしてえんだが、今日は駄目....
「光は影を」より 著者:岸田国士
は、調子にのつて、過去の苦労、現在の不満を並べたてた。そして、最後に、酒乱の父と
強欲な母とをか細い女の手で養う手段は、どう考えてもほかにないと、なかば自嘲的にい....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
れて巻き込まれてしまいました』 『ボーシュレーでしょう?』 『ハイ。あの男は実に
強欲な狡猾な奴で、私どもがあの男を信じたのがそもそも間違いでございました。これは....
「秋深き」より 著者:織田作之助
のろくろ首いうもんは、苦界に沈められている女から始まったことで、なんせ昔は雇主が
強欲で、ろくろく女子に物を食べさしよれへん。虐待しよった。そこで女子は栄養がとれ....
「迷信解」より 著者:井上円了
る。実に驚き入りたる次第である。その一例は『痴談』と題する書中に出ておる。「ある
強欲者が神に祈りて大金を得んと欲し、一心をこめて祈請して曰く、『願わくは神様よ、....
「塩を載せた船」より 著者:小川未明
ていたのだ。まあ、あすこをごらん、あんなにぴかぴか光っているものがある。あれは、
強欲なじいさんが大事にしまっておいた黄金の塊だ。しかし、もうみんなその人たちは、....
「おけらになった話」より 著者:小川未明
のです。私は人間になりたいとは思いません。ほんとうに一ぴきの虫でもいいから、この
強欲な心と不正の考えを、私からうばってください。そして、私を虫にしてください。私....