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「強直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

強直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
のぼり始めた。葉子は倉地に手を引かれて息気《いき》をせいせいいわせながら、筋肉が強直《きょうちょく》するように疲れた足を運んだ。自分の健康の衰退が今さらにはっき....
星座」より 著者:有島武郎
は思い存分に暗くなりまさっていた。木の葉は思い存分に散っていた。枯枝は思い存分に強直していた。その間には何らの連絡もないもののように。清逸は深い淋しさを感じた。....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、やがて幾つか、符合したものが見出されるに相違ない。おまけに、両脚がガニ股のまま強直していて、この変形児は、てっきり置燈籠()とでも云えば、似つかわしげな形で這....
俘囚」より 著者:海野十三
まうわよ!」 「えッ?」 これを聴いた松永は、あたしの腕の中に、ピーンと四肢を強直させた。なんて意気地《いくじ》なしなんだろう、二十七にもなっている癖に……。....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
りも一層驚かされたのは此の室の片隅に細田氏が仰向きに倒れ手足は蜘蛛の如く放射形に強直され、蒼白の顔には炯々たる巨大な白眼をむき出し、歯は食いしばられて唇を噛み、....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を瞶めている。左側の「カルバリ山の翌朝」とでも云いたい画因のものには、右端に死後強直を克明な線で現わした十字架の耶蘇があり、それに向って、怯懦な卑屈な恰好をした....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
例の大猿が悲鳴を上げた。そうして枝から転がり落ちた。 痙攣! 萎縮! そうして強直! ……大猿は一瞬にして死骸となった。つづいて幾匹かの甲州猿が、同じ径路をと....
断層顔」より 著者:海野十三
銃声が響いた。十数発の乱れ撃ちの銃声だった。 「しまったッ」 老探偵はその場に強直して、舌打ちをした。かれの顔は、驚愕にひきつっていた。 「行ってみましょう!....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い隠せなかった。彼は非度く神経的な手附で屍体を弄り始めた。屍体は既に冷却し完全に強直してはいるが、その形状は宛ら怪奇派の空想画である。大石に背を凭せて、両手に珠....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
七日午前九時半。私は筆を投じると、 「アンマ!」 こう叫んだだけである。全身が強直した丸太であった。けだし二十四時の怨霊がガッシと肩にしがみついていたせいなの....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いるから心臓の働きがまことに不充分で、カケコミ教へ辿りついた時には顔面蒼白、全身強直してヒキツケを起しそうである。哀れや、おそし。すでに警官百名、今や隊伍をとと....
映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
うした発声映画にのみ固有な特殊の効果を出している。眼前を過ぎる幻像を悲痛のために強直した顔の表情で見詰めながら、さながら鍵盤にのしかかるようにして弾いているショ....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
すっかり血の気を失って、半眼を見開き、口を歪めて、蒲団から上半身を現わしながら、強直して縡切れていた。 私は鳥渡不審を起した。 死体の強直の様子から見ると、....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ついたダブダブの制服を着、暑さに釦を外していたが、顔にはほとんど表情がなかった。強直はすでに全身に発していて、右手を胸のあたりで酷たらしげに握りしめ、右膝を立て....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ね、たしか外傷性のヒステリヤには、一番多く見る現象なんですよ。そうすると、変則な強直をしている点に、第一説明が付きますし、何より犯人が、その無意識状態を利用した....