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「強者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

強者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
度《おめでた》く出来上った人間の一人であった。しかしまたその御目出度さがあらゆる強者に特有な烙印《やきいん》である事も事実であった。だから仲間の若者たちが河上の....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
徳である。我我は殆《ほとん》ど損害の外に、何の恩恵にも浴していない。 *強者は道徳を蹂躙《じゅうりん》するであろう。弱者は又道徳に愛撫《あいぶ》されるで....
青木の出京」より 著者:菊池寛
った。彼はその瞬間、青木に対する自分の従僕的な位置が転換して、青木に対して、彼が強者として立っているのを見出した。彼は、それが快かった。 「あっ! どうしよう、....
奴隷根性論」より 著者:大杉栄
る。 かくして社会の中間にあるものは、弱者を虐遇することに馴れると同時に、また強者に対しては自ら奴隷の役目を演ずることに馴れた。小主人は自らの奴隷の前に傲慢な....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
し得る強さをも持っているのだ。そしてその弱さを強さによって弥縫しようとするのだ。強者がその強味を知らず、弱味を知らない間に、偽善者はよくその強味と弱味とを知って....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
しないのは、徳川三百年の太平の結果である。 2 防禦威力の強大 戦争に於ける強者は常に敵を攻撃して行き、敵に決戦戦争を強制しようとするのである。ところが、そ....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
にうつつを抜かし、試合に望んでは一太刀の太刀合わせもなさず、あまっさえ、天下一の強者を自負するばかりか、わが教えし飛行の術をも鼻歌まじりに使うとは、何たる軽佻浮....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
、織田の一番陣、酒井右近の陣に攻めかかる。丹波守自ら鑓をとって先頭に進み、騎馬の強者真先に立って殺到した。 右近の陣は鉄砲に打ちすくめられ嫡子久蔵(十六歳)を....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
く地方に、自分丈の持前を守って居ようなど考えて居る者達は、より大なろうとして居る強者の為にもみつぶされて仕舞うことになる。志ある者は必ず上洛して、天子の下に、政....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
とになりましたね」 少佐のそばに目を丸くして立っていた萱原《かやはら》という古強者《ふるつわもの》の小隊長が、少佐に向っていったことである。 危険信号 ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
。 爆笑の余韻が消えてしまってから、僕は一座を見廻したあとで、仲間のうちでの最強者と思われるフランケに顔を向け直した。 「ねえ、フランケ。君はリーマン博士のい....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
うと、何時の間にか、そこには淡路研二が突っ立っていた。 この老練な新劇界の古|強者は、臆する色もなく、椅子を引き寄せた。彼はずんぐりとした胴に牡牛のような頸を....
活人形」より 著者:泉鏡花
狗の片翼を斬って落すくらいなら、朝飯前だ。「ここにも狼の百疋は立処に裂いて棄てる強者が控えておると、口から出任せ吹き立つるに、得右衛門はあてられて、「豪気々々、....
人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
ない。 私達は、この現実に於て、暴力が憚からずに行われていることを知っている。強者は、徒らに弱者を虐げている事実を見あきる程見ている。人間が、人間を奴隷とし、....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
れど、私は何もしませんっていうんです。私はぐんぐん取ッちめてやると女もなかなかの強者で、策略家ですよ。咄嗟に考えたんでしょうが、金庫からお金を出して私の懐中に押....