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「強行軍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

強行軍の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
ず皆の前で、これだけの労働者や農民が戦地に引き出され、且つ日常生活でもこれだけの強行軍をやらされているときに、「僚友会」が一度も真剣に開かれなかったことは、階級....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ほど眠いのであった。幼子《おさなご》が夕食を食べながら居眠るように、幾日か続いた強行軍で、兵士が歩きながら眠るように、それと同じく眠いのであった。けれども、この....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
前六時に折柄の風雪を冒して出発した。黒崎で昼食したが、ここからは靴を草鞋に代えて強行軍を続け、真暗になった午後六時に熊本に達する事が出来た。この強行軍の一部隊の....
帰去来」より 著者:太宰治
なるという事を、私は自分のその時の経験から知っていた。「なにせあの時の北さんは、強行軍だったからなあ。」 北さんは淋しそうに微笑んだ。私は、たまらない気持だっ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
あるまいが……、とにかく、われわれは日中を避けねばならん。夜ゆく。それで、今夜の強行軍でどこまで行けるかということが、覗き穴発見のいちばん大切なところになる。ね....
丘の上」より 著者:豊島与志雄
て倒れたのです。」 「死んだんでしょうか。」 「さあ……。」 「ひどいわ。」 「強行軍ですよ。今日のような暑い日を選んで、早朝から出かけるんです。一人二人の犠牲....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
なかった。強大なアジマン族が四方の村々を侵している時、彼はひそかに兵を集め、急遽強行軍を決行して、アジマン族を追跡し、その不意を襲った。 夜明け前のこと、アジ....
光は影を」より 著者:岸田国士
二人で酔興に高円寺まで歩いてみたことがある。三時間あまりかゝつた。戦場での、あの強行軍にくらべれば、なんでもない。彼は、荻窪に着くのが朝であろうと夜であろうとか....
接吻」より 著者:神西清
上りになって、教会の柵のところで本道に合わさっていた。そこで将校たちは、上り坂の強行軍の疲れが出て、ちょっと腰をおろして煙草をふかした。向う岸にその時、ぼうっと....
決闘」より 著者:神西清
だ。彼には沙漠が、月夜が要るのだ。あたりを見廻すと、天幕の中にも野天のもとにも、強行軍に疲れ果て、或いは飢え或いは病んだコサックや案内者や、人夫や医者や僧侶が眠....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
」と、セルゲイはカテリーナ・リヴォーヴナに捨てぜりふを言った。 悪天候のもとの強行軍にへとへとになって、カテリーナ・リヴォーヴナは次の営舎の板どこの上で、傷つ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
ない「世界」へと、いま次郎吉はしきりと進軍を強いられている。進軍どころかぐんぐん強行軍をつづけられている。 やがての駄目は、必定だった。 ただいつの日それが....