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強風
「強風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
爪先まで沁みて来る。これから上の室という室は、戸を厳重に密閉して、その屋上には、
強風に吹き飛ばされない用心に、大塊の熔岩《ラヴア》が積み重ねられ、怖るべき冬将軍....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
うじてくると、世の中のすべての物がことごとく自分を迫害するもののように思われる。
強風が吹いて屋根の隅でも損ずれば、風が意地わるく自分を迫害するように感ずる。大雨....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
車砲の集中砲火を喰って、その半数以上が一夜のうちにやられたということじゃ。何しろ
強風雨のうちだから、空軍は手も足も出ず、さぞ無念じゃったろう」 「閣下。オロンガ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
喬介は、私の渡したノートを受け取ると、 「いや、有難う。753粍の低気圧と西南の
強風か。さあ、もう用事は済みましたからバルーンを揚げて下さい。さて、これから結論....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
・一〇冷沢炭焼小屋 三・〇〇常念乗越沢出合 七・〇〇常念の小屋 十二月一日 晴、
強風 八・〇〇常念の小屋 九・〇〇常念頂上 九・三〇―一〇・四〇常念の小屋 一一....
「空気男」より 著者:海野十三
どこへ吹きとんでしまったのか、行方が分からない。 そのうちに、またもや吹きくる
強風! 「ああっ!」 といううちに、今度はビルディングの避雷針で博士の膝頭のと....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
いた。そしてその低く深く垂れこめた息詰るような霧の中を、都会の交通機関が相変らず
強風のような音を立てて大通りを通っていた。しかし室の中は炉火の光で気持がよかった....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
かったからだ。ところが今はまだそれがなかったものだから、方向不定の風が吹いたり疾
強風が二度も吹いて来たりして、そこへ着かないうちに私たちは皆へとへとに疲れてしま....
「競漕」より 著者:久米正雄
叫ぶ、久野は気が気でなかった。そのうちに「用意」の令が下った。艇首はまた一瞬間の
強風に曲げられた。「ええままよ、もうなるようになれ」と久野は眼を瞑った。号砲が鳴....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
現在は工事中で汚いけれども、相当な明るい街に復興しつつある。仙台には火事が多く、
強風の吹く季節の風の方向も一定していて、防火のための大通りだということだ。 私....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
文麻呂 (支えながら、狼狽し)おい。清原! 清原! 清原!……衛門ッ! 烈しい
強風の中に……… ――幕―― 第二幕――一幕より数日後 第一場 幽....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
というものが、大漏斗の斜面しかないからだ。それに、いつもおなじ方向からひじょうな
強風が吹いている。そのため、全島の樹木がなかば傾いて……その薙がれた角度が大漏斗....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
しめる程であった。 と、突然、電燈が消えて、ホールの中は真の闇となった。即ち、
強風の為に起った停電である。三十秒! 一分! 依然として電燈はつかなかった。音楽....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
る。こっちの山麓から、向側まで二十間とない峡間、殊に樹木は、よく繁っているので、
強風は当らぬ。槍・常念・大天井に登臨する向のためには、至極便利の休泊処。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
立し、煙を隔ててこれを望むに、初雪を冠するかを疑わしむ。樹木の生育せざるは、年中
強風の絶え間なきによる。ただし、風のために雪積まず、野草枯れざるをもって、牧羊に....