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弾き
「弾き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弾きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
いのです。しかしある二月の晩、達雄は急にシュウベルトの「シルヴィアに寄する歌」を
弾きはじめるのです。あの流れる炎《ほのお》のように情熱の籠《こも》った歌ですね。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
という奇妙な性質をもっている。膨張する際に最大の速度をもっているようなガス分子は
弾き出され、その代りにこの星雲内部のもっと密集した部分からのガス質量が入れ代わる....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
歳」と、僕は猪口をあげる真似をした。 三味を弾かせると、ぺこんぺこんとごまかし
弾きをするばかり。面白くもないが、僕は酔ったまぎれに歌いもした。 「もう、よせよ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
掃出さねばならない。交通の便利というは此淘汰を行う為めの準備であって、四捨五入で
弾き出される我々は電車に乗るべき任務を背負わせられるのだ。 ▲電車のお客様の大....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
出て来られたのには、少からず恐縮した。 すると、向うの家の二階で、何だか楽器を
弾き出した。始はマンドリンかと思ったが、中ごろから、赤木があれは琴だと道破した。....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
流して、浦のもの等は迷惑をしはしないか。 僧都 いや、いや、黒潮と赤潮が、密と爪
弾きしましたばかり。人命を断つほどではござりませなんだ。もっとも迷惑をせば、いた....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
と騰ってくるシャボン玉は、みるみる重なりあって、お互いに腹と腹とをプルンプルンと
弾きあった。八十助は何だか自分の胸を締めつけられるような苦しさを感じたのであった....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
窓に時々姿を見せて、われに笑顔向けたまうは、うつくしき姉上なり。 朝な夕な、琴
弾きたまうが、われ物心覚えてより一日も断ゆることなかりしに、わが母みまかりたまい....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
を飲んでいた。のみならず彼等のまん中には耳隠しに結った女が一人熱心にマンドリンを
弾きつづけていた。僕は忽ち当惑を感じ、戸の中へはいらずに引き返した。するといつか....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
れと言ったえ。草冠の下に囘数の囘の字だ」 孔乙己は俄に元気づき、爪先きで櫃台を
弾きながら大きくうなずいて 「上出来、上出来。じゃ茴の字に四つの書き方があるのを....
「端午節」より 著者:井上紅梅
て取るべきものを取るのは当然ですから、そういうことにおしなさい、とすぐにわたしを
弾き出した」 「節句の真際になって金を借りに行ったって、誰が貸すもんですか」 ....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
す。私や松篁など、絵のことはそれは別としまして、茶もあれば花もあり、また唄いもの
弾きもの、その他の遊芸などもありますが、その中で謡曲、能楽の道はなんといっても一....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、何だ、トラホームは伝染るから実家へ帰れ! 馬鹿野郎、盲目になってボコボコ琴でも
弾きやがれ。何だ、妹の娘で、姪の婿のよしみをもって俺に謡を聞かせろ――まいを舞え....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
マダ抜けなかったと見えて、世間を驚かしてやろうという道楽五分に慾得五分の算盤玉を
弾き込んで一と山当てるツモリの商売気が十分あった。その頃どこかの気紛れの外国人が....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
渉好きの親分肌の矢野次郎の実業|一天張の方針と相容れるはずはなかった。算盤玉から
弾き出したら矢野のいう通りに温和しくなってる方が得策であったかも知れないが、矢野....