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弾ける
「弾ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弾けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
しい肉体をもった十六七の娘は、無造作な洋装で、買物のボール箱をもっていた。均平は
弾けるような若さに目を見張り、笑顔で椅子を譲ったが、今夜に限らず銀座辺を歩いてい....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ようだった。 ところが、その次の瞬間であった。甲板のすぐ真上に、ぱらぱらぱらと
弾けるような音がして、眼もくらむようなマグネシウムの大光団が現れた。その光団はし....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
はれ、地が要ろう。これ喜野、あすこの広間へ行ってな、内の千がそう言うたて、誰でも
弾けるのを借りて来やよ。」 とぽんとしていた小女の喜野が立とうとする、と、名告....
「不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
は不動の木像を見詰めて立っていた。と、その時であった。ばらばらと云う怪しいものの
弾ける物音が裏山の方でしはじめた。続いて人の叫ぶ声がした。邸の裏の山林が火を発し....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
い登らして、それを竿でつゝいたり、弱った秋蝉を捕ってやったり、ほうせん花の実って
弾けるのを自分でも面白くって、むしって見たり、それを打つけて吃驚させて見たり、そ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
らなくなったので、共々、私までやめさせられてしまった。ピアノは、やさしいソナタ位
弾けるようになっていた。別に努力もせず気まぐれに弾いていた。 しかし、ここにふ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
並んで足を投げ出した。 「あなたは音楽はおやりになりませんの」 「オルガンが少し
弾けるきりだ」 「僕は今度運動会の折には音楽隊をこしらえるつもりです。僕は手風琴....
「道なき道」より 著者:織田作之助
ら、ヴァイオリン弾きの父親を教師に習いはじめて、二年の間に、寿子はもうそんな曲が
弾けるようになった位きびしく仕込まれていたのだ。 父親の庄之助は、ステテコ一枚....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
ら! わらべ達 (一緒に)おいでよ! おいでよ! こがねまる 琴なんていつだって
弾けるじゃないか! みのり そうよ、そうよ! なよたけ、一向に返事をしない。 け....
「流行唄」より 著者:兼常清佐
いる。また作曲者にしても、和声学教科書の例題をピアノで弾かせたら、どれほど正確に
弾ける自信があるか怪しいものだそうである。しかし彼らはそれで一世を動かす名流行唄....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
らも感服するものが多かった。負けぬ気の椿岳は業を煮やして、桜痴が弾くなら俺だって
弾けると、誰の前でも怯めず臆せずベロンベロンと掻鳴らし、勝手な節をつけては盛んに....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
隙のない名人に不意討ちをかけ、一泡吹かしてやるのだと思うと勇気が凜々と五体に漲り
弾ける思いがするのでした。 木下藤吉郎の昔から秀吉は、数知れぬ難攻不落の城々を....
「海のかなた」より 著者:小川未明
の腰かける石のそばに立って、おじいさんのくるのを待っていました。 「なかなかよく
弾けるようになった。」といって、おじいさんは、松蔵の頭をなでてくれることもありま....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
それでも一生懸命の勉強と辛抱とで、どうやら貴方のお作りになった奏鳴曲や変奏曲やを
弾けるところまでは漕ぎつけました。ヴェーゲラーにとっては音楽が何よりの楽しみなも....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
君のピアノの弟子が正しい指の使い方と正確なリズムとを会得して、譜を間違わずに
弾けるようになったならば演奏法に注意を払いたまえ。そして小さな欠点があってもそこ....