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弾ずる
「弾ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弾ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
え」
「まだヴァイオリンかい。困ったな」
「君は無絃《むげん》の素琴《そきん》を
弾ずる連中だから困らない方なんだが、寒月君のは、きいきいぴいぴい近所合壁《きんじ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ノの鍵盤の上から、静かに響いて来た。 涙をソッと押さえてJOAKのスタディオに
弾ずるのは、奇しい運命の下に活躍した紅子だった。僅か一旬のうちに、弦三と素六の兄....
「彼は誰を殺したか」より 著者:浜尾四郎
相手がないのに、ヴァイオリンやヴァイオリンコンツェルトのピアノのパートを、やけに
弾ずることが多かった。 彼女のこの振まいは、必ずしも夫に対するあてつけばかりで....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
不易」なる網目の一断面を摘出してそこに「流行」の相を示さなければならない。これを
弾ずる原動力は句の「はたらき」であり「勢い」でなければならない。 発句は物を取....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
原を聞く時には端坐して、両手を膝の上へ置いて謹んで聞くのだそうです。それですから
弾ずる人は無論のこと、ここに集まるすべての人が、みな相当の敬意を表して、いよいよ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しく出で来り、その人を囲んで聴きおりさて弾じやむと各《おのおの》退いた。さて毎度
弾ずるごとに大入り故、獄吏に請いて猫を隠し置き、音楽で鼠を集めて夢中になって感心....
「壇ノ浦の鬼火」より 著者:下村千秋
んごとに力を増し、泣くがように、むせぶがようにひびきわたりました。その声につれて
弾ずるびわの音は、また縦横につき進む軍船の音、矢のとびかうひびき、甲胄の音、つる....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
がら龍造寺主計は、奇妙な楽を奏しているのであった。彼は、琵琶師《びわし》が琵琶を
弾ずるときのように、長剣を、きっさきを上に、膝のうえに斜めにかまえて、声を合わせ....
「心の調べ」より 著者:宮城道雄
しではありません、雰囲気と申しますか、声の感じですね。 箏の音色も同じことで、
弾ずる人の性格ははっきりとそのまま糸の調べに生きてまいります。心のあり方こそ大切....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
を見詰め)女よ! 溺れ行く、弱き者よ。執念の蛇の血は、心地よき流れとなりて、俺が
弾ずる琴の糸からあふれ出て、お前の心へ忍び入る。心のかなめはかき乱され、肉は熱く....
「名もなき草」より 著者:小川未明
、いゝ音にしてもそうだ。必ずしも、それは、高価な楽器たるを要しない。また、それを
弾ずる人の名手たるを要しない。無心に子供の吹く笛のごときであってもいゝ。また、林....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
あって、返歌の慧敏なるものが永く異性の愛好を繋いだことを述べている。島では三線を
弾ずるはもっぱら男子のわざで、女はいずれもみな歌の節と言葉に、その才能を傾けよう....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
珍しく、殊にショーウインドウには当時大家の西瓜の切り口を写生した油絵と、娘が琴を
弾ずる油絵がかかっていて、非常に評判であった。私は脚気になって、三十間堀の家の二....