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「弾力性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弾力性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
味と刺戟《しげき》とを感ずる彼女は、際《きわ》どいところで、思いもかけない生活の弾力性を喚起《よびおこ》されたりした。 「面倒ですから、材料も私《あっし》の方か....
或る女」より 著者:有島武郎
快感とを自分自身に感じて陶然と酔いしれながら、倉地の二の腕に歯を立てて、思いきり弾力性に富んだ熱したその肉をかんだ。 その翌日十一時すぎに葉子は地の底から掘り....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
課せられていたが、今回夫が思い切って廃税になった。之によってすべての地方財政の「弾力性」とかいうものが著しく限定されて了うわけだが、この弾力性の喪失が潮内相の云....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
一体蝸牛は形そのものが余りいい感じのものではない。而もその肉は非常にこわくて弾力性に富んでいる。これを食べるには余程の勇気がいる。フランス人に云わせれば牡蠣....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
第二の性格になっている時には、私のいろいろの機能はきわめて鋭くなり、元気は一そう弾力性をもってくるように思われた。そういうわけで、ジーキルなら多分まいってしまう....
愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
庭が、すぐ眼の前にあった。彼はそっと床の上に上半身を起して、庭の方へ向き直った。弾力性を帯びたように思われる黒い大地が、彼の心を惹きつけた。素足のままその上を歩....
氷河」より 著者:黒島伝治
んねえ!……えらそうに!」 声で、アメリカ兵であることが知れた。と同時に、別の弾力性のある若い女の声が闇の中にひゞいた。声の調子が、何か当然だというように横柄....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
ゐた。呼びかけ、そして、さゝやいてゐた。小さな然し逞しい彼の身体は疲れを知らない弾力性の鞠であつたが、彼の孤独な魂は、然し、時々、わけの分らぬ発作のために悶絶し....
村芝居」より 著者:井上紅梅
を捻って力任せに外の方へと押出した。後ろは一杯の人で通る路もなかったが、大概その弾力性に富んだ肥えた紳士が、早くもわたしの抜け出したあとに、彼の右半身を突込んだ....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
そう定めた。 で、手練の独楽の紐を――麻と絹糸と女の髪の毛とで、蛇のように強い弾力性を持たせて、独特に作った独楽の紐を、雨戸の隙から繰り出して、勘兵衛の首へ巻....
思い」より 著者:伊丹万作
そか知らぬが、もし実現すれば、早晩行きづまるような気がする。プリント数には相当の弾力性を持たせておくのが常識だろう。 ここらで映画の前途に見きわめをつけて、そ....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
に彼女はようやく眼をあげて彼を見た。その眼は平常に似ずからからした丸みを持った、弾力性に富んだ肉体の触感を覚えた。髪の毛の匂いと、それからどこから来るのだか解か....
地上」より 著者:島田清次郎
神経の端々にしみわたってしっかり喰いとめているような、一分の隙もないしっかりした弾力性のある、肉の発育した美しさであった。お幸はふっくらと円らかにもれあがった自....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
来た、来た。 黒褐の肉体の波、波、波、重く、濃く、滑らかに、張り満ち膨れて、弾力性の、眼の光る、髭の立った、重なり重なり打ち寄せ押し寄せ、後から後からと部厚....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
」といわれていた。しかしこれは一枚の紙を山型のジグザグに縮ませただけで、ほとんど弾力性はなく、押えればぺしゃんこになってしまう。しかし馬喰町のレート化粧品などで....