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「弾性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弾性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
ていた。 展望の北隅を支えている樫《かし》の並樹は、ある日は、その鋼鉄のような弾性で撓《し》ない踊りながら、風を揺りおろして来た。容貌をかえた低地にはカサコソ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ればならない。同時にまた、太陽からの距離が大きいほど、これらのものの体躯の組織の弾性も増し、またその体躯の構造も便利にできていなければならない。同様にまた、これ....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
らい回転する。 確かに捲きついたと思うと、あとから全体が螺旋形に縮れて、適当な弾性をもって緊張するのである。 一本のひげがまた小さな糸瓜の胴中にからみついた....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
の耳石等にもこれを感じなければならないわけである。もっとも、魚類がこの種の短週期弾性波に対してどう反応するかについて自分はあまりよく知らないが、これだけの振動に....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
うである。この点ではやはり、物理界におけるいろいろな週期的不安定の現象、たとえば弾性板の週期的|反転の現象などとの類似を思わせる。 金米糖といくぶん似たものは....
蓄音機」より 著者:寺田寅彦
竹針とによる音色の相違はおそらく針自身の固有振動にも関係するだろうしまた接触点の弾性にもよるだろうが、これらの点を徹底的に研究すれば今後の改良に関する有益なヒン....
「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
自由な屈撓性を備えていて、きわめて微妙な外力の変化に対しても鋭敏にかつ規則正しく弾性的に反応するということが必要条件であるらしい。もちろんこれに関してはまだ充分....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
機関の構造によって規定されたいろいろの物理的振動の週期性、感官や運動機関の慣性と弾性と疲労とから来る心理的な週期性、なおまた人間常住の環境に現われる種々の週期性....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
先端の彎曲部に引っかかり、従って存分に花粉をべたべたと押しつけられる。しかし弱い弾性しか持たぬおしべは虻の努力に押しのけられて、虻の尻がその囲みを破って、少し外....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
なんとなく鈍重な表情の持ち主であり、ベーアはこれに比べると小さいが、鋼鉄のような弾性と剛性を備えた肉体全体に精悍で隼のような気魄のひらめきが見える。どこか昔日の....
研究的態度の養成」より 著者:寺田寅彦
て来て波動説を称えこれが承認されるに幾多の年月がかかった。それも始めはエーテルの弾性的の波であると考えられたのが、後には電磁気波でなければならぬと考えられること....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
地震が如何にして起るやは今もなお一つの疑問なれども、ともかくも地殻内部における弾性的平衡が破るる時に起る現象なるがごとし。これが起ると否とを定むべき条件につき....
地震雑感」より 著者:寺田寅彦
というものがる。この方の専門的な立場から見れば、地震というものは、地球と称する、弾性体で出来た球の表面に近き一点に、ある簡単な運動が起って、そこから各種の弾性波....
映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
ないが、しかしこの判定がやはり少し変に思われた。 ロスの方は体躯も動作も曲線的弾性的であるのに対してマックの方は直線的機械的なように見え、また攻勢防勢の駈引も....
津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
処にくっついている、樹の上で鳥が力学的平衡を保ち得るかは疑問である。樹の幹や枝の弾性は果してその重量に堪え得るや否や覚束ない。あるいは藁苞のような恰好をした白鳥....