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「弾機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弾機の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ような眼つきをして、ぐるりと教室の中を見廻すと、それぎりで急に椅子《いす》の上へ弾機《バネ》がはずれたように腰を下した。そうして、すでに開かれていたチョイス・リ....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
洗濯業の経験あり、他の業務にも向く十九歳の女中、雇われたしとか、堅牢な馬車、但し弾機《ばね》一個不足とか、生後十七年、灰色の斑《ぶち》ある若き悍馬《かんば》とか....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
懸命にやってみたが、僕の予想していたとおり、それは上がらなかった。そこで僕は隠し弾機《ばね》があるにちがいないと気がついた。そしてまたこんなふうに自分の考えが確....
食魔」より 著者:岡本かの子
、その話振りは思わず熱意をもって蛍雪を乗り出させるほど、話の局所局所に、逆説的な弾機を仕掛けて、相手の気分にバウンドをつけた。中でも食味については鼈四郎は、実際....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
弾が、こんなところで最初の手がらをたてようとは、思わなかったねえ」 と、この熱弾機銃の発明者であるカンノ博士も、にやにや笑っていた。 「さあ、急いでここを引揚....
野道」より 著者:幸田露伴
酒を注いで呑んだ。 見ると東坡巾先生は瓢も玉盃も腰にして了って、懐中の紙入から弾機の無い西洋ナイフのような総真鍮製の物を取出して、刃を引出して真直にして少し戻....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
はよくよく詮議した揚句、それは全然夢であったと胸の中で定めるたんびに、心は、強い弾機が放たれたように、再び元の位置に飛び返って、「夢であったか、それとも夢ではな....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ましたろうで、恐縮でござります。」 「はあ、」 と云うと、一刎ね刎ねたままで、弾機が切れたようにそこに突立っていた身構が崩れて、境は草の上へ投膝で腰を落して、....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
を立たねばならぬ。こんなことを思って古びた食店を出た。 僕は時計を持っていたが弾機が途中でこわれて役に立たぬ。此の時計は目覚まし時計で、闇に見ると数字のところ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
ひっ掴んで頭の上に差し上げた。船長の方は、弾薬帯で肩に背負っていて、賢い人らしく弾機装置の方を上にしていた。他の三挺はボートと一緒に沈んだのである。 さらに吾....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
その三段目には一七六五年と記されていた。さらに精密に検査しているうちに、わたしは弾機を発見した。その弾機を押すと、額のうしろは蓋のように開いた。その蓋の裏には「....
学生と教養」より 著者:倉田百三
ら反転して利他主義に飛躍するのが道筋ともいえる。リップスの感情移入の説はそのよき弾機であろう。他人の顔にある表情があらわれるのを見ると、同じ表情がわれ知らず自分....
博物誌」より 著者:岸田国士
に拡がりかぶさろうとしていても、そんなことには頓着しない。 そう言えば、鵲は、弾機仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は生垣のなかに隠れ、初々しい仔馬....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
の中は、数百千年の落葉つもりつもりて、厚さ三、四尺に達し、これを踏むに、あたかも弾機の如し。山上の寒さは挙ぐる火に消えたり。鍋の飯も出来たり。下戸は先ず食う。上....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ただ何となく」といいます。私はその心境をしみじみ尊いものに思います。 心の底は弾機仕掛けになっているのでありましょうか。どの感情の道を辿って行っても真面目に突....