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当り障り
「当り障り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
当り障りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
何の為か一向わからなかった。しかし今日考えて見れば、それは今人を罵るよりも確かに
当り障りのなかった為である。
若楓
若楓《わかかえで》は幹に手をやっ....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
びにゆくこともお此はやはり知っていた。ここでうっかりしたことをしゃべって、どんな
当り障りがないとも限らない。諸方へ出入りする自分の商売上、なるべくこんな問題には....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を見まわした。この小ぎたない店付きではどうで碌なものは出来まいと思ったので、彼は
当り障りのないように花巻の蕎麦を註文すると、奥から五十ばかりの亭主が出て来て、な....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
とすると、この怪事件は公表するには余りに重大な事柄で、或いは公表を見合わせた方が
当り障りがなくてよいかも知れないくらいなのである。しかし一方に於て、N女史の招霊....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろうと、海土蔵が江戸ッ児であろうとも、大阪生れであろうとも、いっこう自分の頭には
当り障りのないことですから、「そうかなあ」で済ましてしまいました。 これには道....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
、彼女の身の上を知ってみたいという好奇心が、僕のうちに萌しました。けれども彼女は
当り障りのないことをてきぱきした言葉で述べながら――そのくせ、自分自身に関するこ....
「好意」より 著者:豊島与志雄
では、晴々とした顔付でいっていって、昨日のことなんかはけろりと忘れはてた様子で、
当り障りのない挨拶をして、少くとも表面は黙殺で一切のけりをつける、とそういうつも....
「失われた半身」より 著者:豊島与志雄
それをおれ自身、前から感じていたのだ。戦地でのことをひとから聞かれる度に、おれは
当り障りのないことだけを答えたが、実は、誰にも話したくないことが幾つかあった。自....
「孤独者の愛」より 著者:豊島与志雄
見を持ってるかどうかさえ、自分にも分らないのである。それかといって、普通のこと、
当り障りのないことも、なにか白々しくて言えないし、第一、場所と機会に応ずる適当な....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
、だいたい三つの説にわかれました。そういうことならまあお詣りをしておこう、という
当り障りのないのが一つ。そのようなことはどうでも宜しい、という無関心なのが一つ。....
「旅だち」より 著者:豊島与志雄
ました。彼は自分から話をしだすことはありませんでしたが、他から話を向けられると、
当り障りのない中庸を得た返事をしました。つまり、なるべく率直な調子でなるべく何事....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
ちる。けれども、不思議な事には決して人には中らぬもので、人もなく物も無く、ツマリ
当り障りのない場所を択んで落ちるのが習慣だという。で、右の石は庭内にも落ちるが、....
「競漕」より 著者:久米正雄
な蟠りのある話を始めた。それも、 「今年はいつもよりお寒うござすな」というような
当り障りのないことを言うのであった。そしてたまたま艇のことに及んでもお互いに冷た....
「光は影を」より 著者:岸田国士
せ、淋しそうに箸を動かした。 母は、落ちつかぬ気持を強いて押し静めようとして、
当り障りのない話題をさがし、それに誰も返事をせぬので、ひとりでなにやら合点しなが....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
兄さんらしい人と一緒でした。」 わたしは先年のことを簡単に話した。しかしどんな
当り障りがあるかも知れないと思ったので、蛇の一件だけは遠慮してなんにも言わなかっ....