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「当世向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当世向の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
かんかん虫」より 著者:有島武郎
てイフヒムに気の無え訳じゃ無えんだが、其処が阿魔だ。矢張り老耄の生れ代りなんだ。当世向きに出来て居やあがる。 そんな訳で話も何も他愛なく纏まっちゃって、己れの....
役者の顔」より 著者:木村荘八
目菊五郎をさえ齲んでいないとは云えないと思います。俳優は「近代」ならざるが良い、当世向きでない方が良いという意味ではないにしても、吉右衛門はその近代的神経性に駆....
議会見物」より 著者:佐藤垢石
って百姓議員で押し通し、農村問題一点張りでやってきて、とうとう偉くなった。へたに当世向きのことを喋りたがらぬところに、見どころがある。産業問題の質問などというの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ある。 ただ、かくの如く、器用であり、魅惑的の芸能を持ち、食物に不平を言わない当世向きの性格を持ちながら、自分が自分としての巣を作ることを知らない、他動物の掘....
明暗」より 著者:夏目漱石
た猫見たいだね。そこへ行くと、お延のようなのはどうしても得《とく》だよ。少くとも当世向《とうせいむき》だ」 「厭《いや》にしゃあしゃあしているからでしょう。何だ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
だ。そこで、そんな連中の専売特許のウマイところだけを失敬して『心理遺伝』なぞいう当世向きの名前で大々的に売り出して百パーセントの剰余価値を貪ぼろうと企てているの....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
かも知れませぬが、あるにはあります。これも前のと同様に純然たる性格の表現で、一寸当世向きしないような感じを与えるものであります。 相手が茫々たる無感覚でちっと....