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当世流
「当世流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
当世流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
――そういう往年の豪傑《ごうけつ》ぶりは、黒い背広《せびろ》に縞のズボンという、
当世流行のなりはしていても、どこかにありありと残っている。
「飯沼! 君の囲い者....
「二老人」より 著者:国木田独歩
井老人はいつも徳と呼ぶ。それは武の幼名を徳助と言ってから、十二三のころ、徳の父が
当世流に武と改名さしたのだ。 徳の姿を見ると二三日《にさんち》前の徳の言葉を老....
「こころ」より 著者:夏目漱石
ない時は、私も実際に忙しいのだろうと思っていたのです。それから、忙しがらなくては
当世流でないのだろうと、皮肉にも解釈していたのです。けれども財産の事について、時....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
事も嫁に行く事も出来やしません」寒月君は二十世紀の青年だけあって、大《おおい》に
当世流の考を開陳《かいちん》しておいて、敷島《しきしま》の煙をふうーと迷亭先生の....
「蒲団」より 著者:田山花袋
の間へ行こうとしたのを、無理に洋燈の明るい眩しい居間の一隅に坐らせた。美しい姿、
当世流の庇髪、派手なネルにオリイヴ色の夏帯を形よく緊めて、少し斜に坐った艶やかさ....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
とではない。いやむしろ些細なことだからむつかしいかもしれない。 学問のほうでも
当世流行の問題に関する知識を求めようとする場合は参考書でも論文でも有り過ぎて困る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めて行くのが例になっているから、その翌日の早朝に、旅の三人連れの者――うち二人は
当世流行の浪士風のもの、他の一人は道中師といったような旅の者が、幅下新馬場《はば....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、多少ともこの男の脈管に流れているのではないか、とさえ思わせられる。 白雲も、
当世流行の勤王家や、佐幕党に、かなり眉唾物《まゆつばもの》の多いことを知っている....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せて、意余りあって情が尽せないことになるのだ、冷静な逐条審議から出直して見給え、
当世流行の科学的というやつで……」 「なるほど、細目をあげて、しかして大綱に及ぶ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
りは怪談から誘い出されたような次第でありまして、あながちに本来の怪談を見捨てて、
当世流行の探偵方面に早変わりをしたというわけでもございませんから、どうぞお含み置....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
実に面白いと思う。科学の事でさえそうである。いわんや嘘か本当か結局証明の不可能な
当世流行何々イズムなどに対する人々の態度には猶更よくあてはまるであろう。読者は試....
「火薬庫」より 著者:岡本綺堂
りは怪談から誘い出されたような次第でありまして、あながちに本来の怪談を見捨てて、
当世流行の探偵方面に早変りをしたというわけでもございませんから、どうぞお含み置き....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
らないよ。遠慮なんかしてたらいつまで経ったってらちがあかない。もちろん、僕はあの
当世流行のつけぶみと云う奴は大嫌いだ。こそこそまるで悪いことでもしてるように、巧....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
ちは大助りだ。第一、これから先食わずにいるような心配は、金輪際なくなるし、その上
当世流行の、黄表紙書きのこつは覚えられるという一挙両得。どっちへ転んだって損はね....
「申訳」より 著者:永井荷風
ーに憩い、仔細に給仕女の服装化粧を看るに、其の趣味の徹頭徹尾現代的なることは、恰
当世流行の婦人雑誌の表紙を見る時の心持と変りはない。一代の趣味も渾然として此処ま....