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当分
「当分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
当分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
小耳《こみみ》に挟んでいた。求馬は勿論喜んだ。が、再び敵打の旅に上るために、楓と
当分――あるいは永久に別れなければならない事を思うと、自然求馬の心は勇まなかった....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
前日だった。洋一は兄と買物をしに、わざわざ銀座《ぎんざ》まで出かけて行った。
「
当分|大時計《おおどけい》とも絶縁だな。」
兄は尾張町《おわりちょう》の角へ出....
「路上」より 著者:芥川竜之介
問題が蟠《わだか》まっているか、略《ほぼ》想像出来るような心もちがした。
「まず
当分はシュライエルマッヘルどころの騒ぎじゃなさそうだ。」
「シュライエルマッヘル....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。彼はそれ以来すべてをこの未知の答えに懸けて、二度と苦しい思いをしないために、
当分はあの噴き井の近くへも立ち寄るまいと私《ひそ》かに決心した。
ところが彼は....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を加えてはいけませんか?」と質問する)いや、『全否定論法』を加えることは少くとも
当分の間は見合せなければなりません。佐佐木氏は兎に角声名のある新進作家であります....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
今日も事務を執《と》りながら、気違いになるくらい痒《かゆ》い思いをした。とにかく
当分は全力を挙げて蚤退治《のみたいじ》の工夫《くふう》をしなければならぬ。……
....
「或る女」より 著者:有島武郎
《よもやま》の話をしていたが、ふと思い出したように葉子を顧みて、
「これからまた
当分は目が回るほど忙しくなるで、その前にちょっと御相談があるんだが、下に来てくれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に行って中の様子を見て来て、杉林《すぎばやし》のために少し日当たりはよくないが、
当分の隠れ家《が》としては屈強だといったので、すぐさまそこに移る事に決めたのだっ....
「想片」より 著者:有島武郎
ちにすぎないと思っている。
すでにいいかげん閑文字を羅列したことを恥じる。私は
当分この問題に関しては物をいうまいと思っている。....
「親子」より 著者:有島武郎
沈黙に似ず、彼は今夜だけは思う存分に言ってしまわなければ、胸に物がつまっていて、
当分は寝ることもできないような暴れた気持ちになってしまっていたのだ。 「今日農場....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
」 「よくない、よくない量見だ。」 と、法師は大きく手を振って、 「原稿料じゃ
当分のうち間に合いません。稿料|不如傘二本か。一本だと寺を退く坊主になるし、三本....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
界に於いて、そなたの修行の為めに特にこしらえてくだされた、難有い道場であるから、
当分比所でみっしり修行を積み、早く上の境涯へ進む工夫をせねばならぬ。勿論ここは墓....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
分の準備教育を施した暁には、われ等の唱道する所を、咀嚼翫味するに至るであろうが、
当分まだわれ等の仕事とは没交渉である。 更にわれ等が持て剰すのは、徒らに伝統の....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
米利加人はそう言いながら、新しい巻煙草へ火をつけました。 「占いですか? 占いは
当分見ないことにしましたよ」 婆さんは嘲るように、じろりと相手の顔を見ました。....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
るにすこぶる困難の様子なりしかば、先生はかくかくの趣意にて一篇の文を草したるが、
当分は世に公にせざる考にて人に示さず、これを示すはただ貴君と木村芥舟翁とのみとて....