当初[語句情報] » 当初

「当初〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当初の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
すれば、かくのごとき無細工な石がきの築造は、その風趣を害する点において、まさしく当初の目的に矛盾するものである。「一幅淞波《いっぷくのしょうは》誰剪取《たれかせ....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
げんな》六年、加賀の禅僧|巴※※《はびあん》なるものの著した書物である。巴※※は当初|南蛮寺《なんばんじ》に住した天主教徒であったが、その後何かの事情から、|D....
小作人への告別」より 著者:有島武郎
しうべきところはたいてい開墾されて、立派に生産に役立つ土地になっていますが、開墾当初のことを考えると、一時代時代が隔たっているような感じがします。ここから見渡す....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
ている。真個の第四階級から発しない思想もしくは動機によって成就された改造運動は、当初の目的以外の所に行って停止するほかはないだろう。それと同じように、現在の思想....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
っているのである。 自己主張的傾向が、数年前我々がその新しき思索的生活を始めた当初からして、一方それと矛盾する科学的、運命論的、自己否定的傾向(純粋自然主義)....
婦系図」より 著者:泉鏡花
らい、同情もしたが、芸者なんか、ほんとうにお止しなさいよ、と夫人が云う。主税は、当初から酔わなきゃ話せないで陶然としていたが、さりながら夫人、日本広しといえども....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
身を造り出すことは出来ない。 言葉は意味を表わす為めに案じ出された。然しそれは当初の目的から段々に堕落した。心の要求が言葉を創った。然し今は物がそれを占有する....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
はあるが、恐らく一般読者においても、この方面に関する吾人の観照が、野蛮な自然民の当初の幼稚なまとまらない考え方から出発して現代の大規模な思想の殿堂に到達するまで....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ぼろ気ながら近衛声明以来それを認識しております。近衛声明以来ではありません。開戦当初から聖戦と唱えられたのがそれであります。如何なる犠牲を払っても、われわれは代....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ないで、そのうち一株ありつく算段で、お伽堂の額を掛けたのだそうである。 開業|当初に、僥倖にも、素晴らしい利得があった。 「こちらじゃ貸すばかりで、買わないで....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
らず、従兄妹同士が恋愛のいかに強きかを知れるより、嫉妬のあまり、奸淫の念を節し、当初婚姻の夜よりして、衾をともにせざるのみならず、一たびも来りてその妻を見しこと....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
には男性の守護霊、女子には女性の守護霊が附くのでございます。人類が地上に発生した当初は、専ら自然霊が守護霊の役目を引き受けたと申すことでございますが、時代が過ぎ....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
通そうとする。ときに私が抗議を申し込んでみてもとうていむだである。 料理。結婚当初の半年くらいは、晩飯の食卓に料理が十品くらい並んでいた。ほかに何もすることが....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
うという際に成ったのであるが、当時における文士生活の困難を思うにつけ、日露開戦の当初にもまたあるいは同じ困難に陥りはせぬかという危惧からして、当時の事を覚えてい....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、いろいろ予想外の事に驚かされることが多かった。満州事変から僅かに四年、満州事変当初の東亜に於ける日・ソの戦争力は大体平衡がとれていたのに、昭和十一年には既に日....