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当意即妙
「当意即妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
当意即妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
及ぶ筈はない、彼自らそうと知って其の身は戸を守る役を勤め荒仕事を余に振り分けたは
当意即妙と賞めても好い、探偵は余の手の内で悶くけれども宛も悪戯児供の手に掛かった....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
にとっての証拠として、自分の話に動かせない真実性を加えたのであった。彼は、自分の
当意即妙に、自分で感心した。 「どれ! どれ!」一座のものは、杯盤の間を渡って来....
「しようがない、だろうか?」より 著者:宮本百合子
とには、しようがないなア、といいながらも、実際ではすぐそのあとから、何とかそこに
当意即妙の知恵を発揮して、わたしたちは、そのことをともかくしようことのあることに....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:条野採菊
なりしかば、当時圓朝子が或る宴席に於て、國綱の刀、一節切、船人という三題を、例の
当意即妙にて一座の喝采を博したるが本話の元素たり。其の時聴衆|咸言って謂えらく、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
覚の上で一層切なく結びつくでしょうね。これから外出いたします。お母さん、なかなか
当意即妙でいらっしゃいます。
七月九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
をあららげて『君、一ダースの註文だよ、たった一缶とは不都合じゃないか』私もそこで
当意即妙に、『私は毎日来るのだから、新しいの新しいのと届ける方がよいでしょう。と....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
だって、そう毎日、馬車を呼ばせなきゃならないんだい?」 女優は、これに対して、
当意即妙の返答をしなければならないのですが、たいがいの場合、眼を白黒させた揚句、....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
出てから、いきなり「即興的」に対話のやりとりを始め、勝手に「動き」をつけ、彼等の
当意即妙の工夫によつて、ひとつの筋を作りあげていく、というような「演劇」の種目も....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
、大阪弁が満足に書けるとは限らないのだ。平常は冗談口を喋らせると、話術の巧さや、
当意即妙の名言や、駄洒落の巧さで、一座をさらって、聴き手に舌を巻かせてしまう映画....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
む。女子と老人と向かい合って立つ) 領主 嬢の美しさが銀の竪琴の音のようだとは、
当意即妙の讃辞。(と一同を見)方々もさように覚しめすか、如何でござる。(一同の騎....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
を見るに当時|士人《しじん》の狂歌を愛吟したる消息を知るに便なるものあり。狂歌は
当意即妙を旨としてしばしば寒暖応答の辞に代へられたり。 元日にある人の許《もと....
「伝通院」より 著者:永井荷風
るもんだと思っていやがらア。昼鳶《ひるとんび》の持逃《もちにげ》野郎奴。」なぞと
当意即妙の毒舌を振って人々を笑わせるかと思うと罪のない子供が知らず知らずに前の方....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
万分の一とか何とかいう尺度一点張《ものさしいってんばり》の正確と精密とはかえって
当意即妙の自由を失い見る人をして唯《ただ》煩雑の思をなさしめるばかりである。見よ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ざる」 高氏はけろとして言った。この返答は、人を食ったものだが、またいかにも、
当意即妙に聞えたらしい。道誉もニガ笑いし、問注所衆の面々から“御簾ノ廂”の内の人....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
。 昔の俳句の大家はたいがいじっと案じ入った人であります。俳句などというものは
当意即妙で頓知さえあればできるもののごとく心得ている人がずいぶんありますが、そう....