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「当所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
紙《うわづつみ》のない手紙である、大友は不審に思い、開き見ると、 前略我等両人当所に於て君を待つこと久しとは申兼候え共、本日御投宿と聞いて愉快に堪えず、女中に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あねえらしい。こりゃあ確かに本物だ」 神仏|混淆の時代であるから、この八幡の別当所は大宮寺という寺であった。半七は別当所へ行って、自分たちの身分を明かして、か....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
と削げた頬の辺|手頼りない寂しい陰影があって、見る人をして悲しませる。据えた瞳を当所もなく茫然と前方へ注ぎながら何やら独言を云っている。 「……今日も斬った。三....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
つ、こう……田圃の畔かとも思う処でも吹いていら。」 と身忙しそうに片膝立てて、当所なく※しながら、 「音は同じだが音が違う……女房さん、どれが、どんな顔の按摩....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
唇頭に嘲笑したりき。 二 相本謙三郎はただ一人清川の書斎に在り。当所もなく室の一方を見詰めたるまま、黙然として物思えり。渠が書斎の椽前には、一個....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
\深く問ひけるに、その老人いぶかしく思ひしか、恐る/\申すやうは、先代塩原の家は当所より北の方(三里余)へ隔たりし下新田村と申すなりと、こま/″\と物語り、わた....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
を混ぜて吹飛ばしたのだ。 話が面白くなって酒も大分はずんで来た。 「や、拙者は当所の御祭礼は初めてだが、なんでも昨年は、暗闇の間に、余程奇怪な事が行われたと申....
」より 著者:岡本かの子
も男に別な考えがあるのか。京子はもう猶予して居られなかった。勢いを倍加して一散に当所もなく走り出した。 真夜中、半死人のようにぐったりと疲れた京子が、中年の巡....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
を連れた、五十近い親仁で、加賀の金石の港から、その日漁船の便で、海上十六七里――当所まで。これさえ可なり冒険で。これからは浪が荒いから、外浜を徒歩で輪島へ行く。....
三枚続」より 著者:泉鏡花
目先の見えねえ奴等じゃあねえか、何だと思ってやあがるんだ。手前ことはね、おい、御当所日本橋は人形町通よ、赤煉瓦の学校裏、紋床に役介になっている下剃の愛吉てえ、し....
妖怪談」より 著者:井上円了
、この連中がたくさんございます。 その後、ニューヨークに参りました。ところが、当所の領事の妻君が私に問いました。「わたしが、ある日|狐狗狸様をやる方々の所へ参....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
トイエバ軽イ、ドチラニモナリマスノデ、カノ本復スルカト思エバ全快スノ方ノ組デス、当所へ参リマス前、凡ソ半年ホドヲ鵠沼ニ辛棒シテオリマシタガ、無論ドットネテイルト....
西航日録」より 著者:井上円了
泊す。 五月十八日、スイスの勝を探りてチューリヒ(〔Zu:rich〕)に至る。当所に湖水あり。大小の群山これを囲繞し、その風色、実に心目を一洗するに足る。こと....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
午時、マニラ湾に入港。三時より八木船長とともに上陸し、馬車を駆りて領事館に至る。当所は昨今酷熱の候にして、わが八月の暑気以上なり。昼間の温度は九十度に上るも、日....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
大乗院専属唱門の住所としては、もっとも適当なものである。『坊目考』に、 公納堂町当所は新元興寺之公納所なり。今興福寺唐院のことし。封戸料米等を納るる所の正倉院な....