当来[語句情報] » 当来

「当来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当来の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ろん》表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。これは専念に当来《とうらい》の浄土《じょうど》を渇仰《かつぎょう》すべき僧侶《そうりょ》の身....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
びと」と答えた。が、上人も始めは多少、この男の真偽を疑いかけていたのであろう。「当来の波羅葦僧《はらいそう》にかけても、誓い申すべきや。」と云ったら、相手が「誓....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
六美女は当時十八歳なりしが、かねてより六字の名号を紙に写すこと三万葉に及びしを、当来の参集に頒ちしに、三日に足らずして悉くせりといふ。 かくの如きの物語、六道....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
社会へ奉仕するのが商人でなくなったM氏の理想である。 ロンドンにおれば、また相当来客がある。M氏程まだ充分イギリスを内臓へ吸収せぬ後輩、あるいははるばる官費で....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
分いわせずにお嬢さんがそういったっけ。人物ではないでしょう。風景でしょう。期待が当来を知らせるのでしょうと、そういったっけ。おい。マッシャ。かけるような気分に早....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
せました。 「一紙半銭の奉財のともがらは、この世にては無比の楽《らく》にほこり、当来にては数千蓮華《すせんれんげ》の上に坐せん、帰命稽首《きみょうけいしゅ》、敬....
源氏物語」より 著者:紫式部
く》を持って祈祷《きとう》などをするのだろうと聞いているうちに、 「南無《なむ》当来の導師」 と阿弥陀如来《あみだにょらい》を呼びかけた。 「そら聞いてごらん....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
、ただ翁びたる声にて、額づくぞ聞ゆる」は更に深く民衆の精神を窺わしめる。「南無、当来の導師」と祈るを耳にして、「かれ聞き給へ、此世とのみは思はざりけり」と語る恋....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。その作品はドイツの大家の意を迎えんために寸断されたと称し、このドイツの大家こそ当来の光栄にたいする下劣な嫉妬《しっと》の代表だと称していた。クリストフは肩をそ....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
がしてはいけない。日本を基礎にした世界主義! 国家を土台にした国際主義! これが当来の新思想だ。仏蘭西を見ろ仏蘭西を! ナポレオン三世の奸雄振のいかに恐ろしいか....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
だか近代劇の主題程度のものである。批評家は此点で、やはり哲学者でなければならぬ。当来の人生に対する暗示や、生命に絡んだ兆しが、作家の気分に融け込んで、出て来るも....
親鸞」より 著者:三木清
時代と人間とのために仏は限りない愛をもって弥陀の本願の教を留めおいたのである。「当来の世に経道滅尽せんに、われ慈悲哀愍をもって特にこの経を留めて止住すること百歳....
炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
テオ まだ一枚も売れていません。レストランでの絵の展覧会は珍しいので、客はまあ相当来ているようですけど。 エミ すると兄さんもタンブランですか? テオ いえ、今....
俳句に於ける象徴的表現」より 著者:種田山頭火
いる)との合一である(中村星湖氏片上伸氏等の最近論文参照)。私にはよく解らないが当来の新文芸は象徴主義によって生れるのではないかとも思う。 象徴的表現というこ....