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当面
「当面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
当面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
倫理学者には相違ないが、そうかと云ってまた私は、その専門の知識を運転させてすぐに
当面の実際問題への霊活《れいかつ》な解決を与え得るほど、融通の利《き》く頭脳の持....
「春」より 著者:芥川竜之介
かたがた広子は安楽椅子の背に西洋髪《せいようがみ》の頭を靠《もた》せたまま、全然
当面の問題とは縁のない詠嘆の言葉を落した。
「何だか昔に返ったような気がするわね....
「星座」より 著者:有島武郎
すまされては困るな。高等数学はしっかり解っておく必要があるんだが……」
清逸は
当面の用事をそっちのけにしてこんなことをいった。そんなことを言いながら、吉田教授....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
った。そして渋りがちな筆を休ませる間に、今まで書き連ねて来たような過去の回想やら
当面の期待やらをつぎつぎに脳裏に浮かばしていたのだった。 夕やみはだんだん深ま....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は往々無反省に閑却される。 さて私は岐路に迷い込もうとしたようだ。私は再び私の
当面の問題に帰って行こう。 外界の刺戟をそのまま受け入れる生活を仮りに習性的生....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ォルフ(C. Wolf)がこの説を継承した。 前に述べた通り、ラプラスの仮説の
当面の難点は、この説によると、カントの場合も同様に、諸遊星の回転方向が太陽のそれ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
のは、僕がこれまで見せて来た快濶の態度に対しても、実に苦痛であった。しかし、その
当面の苦痛はすぐ取れた。と言うのは、青木がすぐ立ちあがって、二階の方へ行ったから....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
出入口の扉のあるところだった。 その扉が、どんどんと、外からたたかれた。そこに
当面していた乗組員たちは、ぶるぶるッと身ぶるいした。かれらは、さっそくこのことを....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
ちまうことについて、なんだ。かの三国同盟の精神の故であるは勿論のこと、我々日本の
当面の敵としてだ。ところで、その徹底的――いいか徹底的だぞ、徹底的に息の根を止め....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は、説く所頗る簡潔であるが、生命を『向上』と、『黙想』との二段階に分け、われ等の
当面の急務として、向上に力点を置くべきを説けるは至極賛成である。かの印度思想にか....
「米」より 著者:犬田卯
踏んで、やがては十町歩の土地持になれる。そのことは願ってもない仕合せであったが、
当面、勇にいくらかでも――たとい月十五円にせよ、働いて入れてもらわなければ、家が....
「橋の上」より 著者:犬田卯
とに橋の欄干を渡れと何回か言われて、決して渡ったことのなかったのが、さぶちゃんへ
当面の問題を提供していたのだった。 二 圭太はすでに欄干の上へ追い上....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
てようやく登り、登り極まりてまた下る。山に樹木なく、渓に流水なく、殺風景なるも、
当面にアンデス連峰の雪をいただきて起伏するを望むは、いささか客懐を慰むるに足る。....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
政策を実行することをお約束申します。以上で演説を終りますが、総選挙終了後、日本の
当面する最大の問題は、第一は中国との国交回復の問題であり、第二には憲法を擁護する....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を再修正する前に、私の年来最大の関心事であるナポレオンの対英戦争の大陸封鎖の項に
当面し、全力を挙げて資料を整理し、昭和二年から三年への年末年始は、これを携えて伊....